室内ドアはインテリアの中でも存在感のあるアイテムです。ドアの持つ表情はインテリア全体の雰囲気を大きく変える力があります。また意匠的な側面だけでなく、ドアがどの部屋のどの部分に使われるかによって、求められる機能も違ってきます。今回はタイプの異なる室内ドアを11例紹介していきます。インテリアスタイルとドアとのバランスにも注目してご覧くださいね!
天井いっぱいの高さが魅力的なハイドア。ハイドアのメリットは、通常ドアの上に設置する垂れ壁がなく、開放的で上質な住空間をつくることができる点にあります。フロストガラスやポリカーボネートなど、透明感のある素材でできたハイドアは圧迫感がなく、間仕切りしても隣室の灯りや人の気配が感じられます。
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同じハイドアでも、存在感のあるダークカラー仕上げでは印象が大きく変わります。ガラスの間仕切り壁の間に設置されたドアはインテリアのポイントとなり、空間に強い印象を残します。こちらはモノトーンベースのモダンなインテリアに似合う、すっきりとしたデザインのハイドアです。
こちらは開き戸タイプのハイドアです。ハイドアの設置により、天井が高く感じられます。開き戸があることで、ドアの向こう側へと引き込まれるような、躍動感のある住空間を実現しています。開き戸は開放したままにしても存在感があるので、住空間に調和するデザインが求められそうです。
こちらは壁やオープンシェルフとともに白で統一した両開きドアです。シェルフと高さを合わせているので、シェルフとドアのデザインに一体感が感じられます。ドアはガラスを多用しているものの、太めのフレームがあることで、シャープ過ぎず、親しみやすいデザインに仕上がっています。
框と鏡板を組み合わせたドアは、白を基調としたフェミニンなカントリースタイルのインテリアによく似合います。ドアの一部にガラスを使用しているので、ドアを閉め切っても部屋どうしの視覚的なつながりは保たれています。壁に引き込むタイプのドアなので、ドアを全開にすると、リビングからは壁の中にドアが納まっているようにみえます。
異なる形状のドアを組み合わせると、それぞれのデザインが引き立つ開口部をつくることができます。たとえば幅広のフラッシュドアにルーバーの折れ戸といったコンビネーションは、機能性だけでなく見た目にも変化に富んだ、ユニークな表情をインテリアにもたらしてくれます。
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上吊り引戸は引戸のレールを建具上部から吊るす形で設置するドアです。床にレールが出ないのでつまづきにくく、掃除しやすいというメリットがあります。段差がないので、バリアフリーにしたい場所にも用いられます。上部レールはドアの枠内に納めて設置することが多いのですが、こちらのように意匠性の高いレールを用いると、インテリアのアクセントになりますね。
一般的に上吊り戸は戸の重さを感じにくく、比較的軽い力で開閉できるとされています。また、引戸全般の特徴として、通気性の良いことがあげられます。大きなドアなら、これらのメリットをさらに実感できそうですね。上吊り引戸を計画する際は、レールを設置する壁や天井に十分な強度があるか確認する必要があります。
こちらは斜め格子と縦格子が圧巻の、古民家にしつらえられた和風建具です。日本の伝統的な建具は高温多湿な気候にも柔軟に対応できる、様々な工夫が施されています。今の住まいではなかなかお目にかかれない本格的な和風建具ですが、近年の古民家再生ブームによりその良さが再確認されているのではないでしょうか。
古民家の落ち着きはそのままに、どこか洋の雰囲気が漂う住まい。間仕切りに使用しているフロストガラスの引戸は、真壁や柱梁ともよく調和しています。障子でもなく洋風のスライドドアでもない、まさに和洋折衷といった趣が魅力的な和風建具です。
最後にご紹介するのは木製フレームにアイアンの細工が美しい、アンティークの室内ドアです。築40年を超えるヴィンテージマンションのリノベーションに取り入れたのだそう。年月を経た建物ならではの重厚感とアンティークドアの雰囲気がよく調和し、空間の大きなアクセントとして機能しています。
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