あなたの心をつかんで離さない!小さくて美しい7つの集合住宅

アラカワアレイ, another APARTMENT LTD. / アナザーアパートメント another APARTMENT LTD. / アナザーアパートメント モダンデザインの リビング
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私たちは時として、小さなものに心惹かれます。小さなもの、特に小さな住空間は、広々とした空間にはない、小さいからこそ心落ち着く空気感に満ちています。今回ご紹介するのは美しい佇まいのなかに住む人の心地よい暮らしが垣間見える、7つの集合住宅です。どの住宅にも限られた広さの中で最大限の美しさと住む人の快適な暮らしを追求する、設計者の思いが感じられます。

下町の長屋

東京の下町に建つ、重層長屋形式の小さな集合住宅です。敷地は建物が混み合う一角にあり、間口は狭い場所で2.4m、広い部分でも2.7m程度しかないのだそう。建物密集地の隙間を縫うようにして建てられたこちらの集合住宅は土地の形状に合わせ、間口は1間、およそ1.82mとなっています。設計者は、今までなかなか注目されなかった下町の隙間のような敷地を、シンプルな手法でゆたかな人の営みの場所に変えたいと考えたのだそうです。シンプルな白い外観にある2世帯分の玄関扉だけが、この建物のファサードを飾ります。


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内部空間はこの通り、自然光がたっぷりと入る計画となっています。1、2階それぞれにロフトを設けた、天井の高い住戸を上下に二つ積み上げたような長屋のような構造です。間口は広くありませんが、奥行をうまく利用することで、2世帯分の生活空間を確保しています。天井が高く、室内は白を基調としているため、閉塞感を軽減しています。室内の両サイドは高い壁に囲まれていますが、所どころにある植栽が外部空間を感じさせ、路地に足を踏み入れたような、独特な心地よさを与えてくれます。

Shimouma apartment

東京・下馬に建てられた、4階建ての中層マンションです。角地に建つこのマンション、エントランスアプローチを囲むような、V字型の形状をしています。前面道路との間に共用スペースを広く取ることで、内と外の境界線が曖昧に感じられます。そのため、この建物は外部に対して閉じるのではなく、来る人を歓迎し、地域に向けて開かれているような印象を受けます。

個々のプライバシーがしっかりと確保された住戸内です。余計な細工のない、広々とした空間を提供しています。インテリアはごくシンプルなデザインにとどめています。住む人が自分らしさを発揮できるキャンバスのような内装なので、くふう次第で様々なスタイリングが楽しめそうです。

Sodegaura apartment

この集合住宅の周りには、住宅地の中にところどころ自然が残っています。街として発展していくのはまだこれからといったところでしょうか。外壁はダークカラー、バルコニーの手すりには縦桟、窓枠は外壁の内側に収めており、シンプルな中にも洗練された雰囲気が感じられる外観です。今後この場所が住宅中心の街に変わっても、このようなデザインの建物なら、どんな街並みにも調和できるのではないでしょうか。


*住まいに関する記事はこちらにもあります

住まいのビフォー・アフター:驚くほど変身した5つのファサード


玄関の正面に窓があり、家に入るとすぐに外の景色が目に入ります。白で統一した室内と木質フローリングは明るく、長く暮らしたくなるような上質な住空間を提供しています。

多摩川の集合住宅

こちらは明るい茶とダークブラウンのルーバーが目を引く中層マンションです。閑静な住宅街に、落ち着いた雰囲気の外観がよく調和しています。敷地の一部は計画道路にかかっているそうで、建物は壁式RCと鉄骨の混構造とし、将来的に計画道路が拡張される場合、RC壁造部分が自立して対応できるような設計となっています。壁構造は壁が厚く、建物全体が重たい印象になりがちですが、鉄骨製のルーバーや明るい茶色のALC壁が建物に軽やかな雰囲気を感じさせています。

photo by 吉村昌也

大開口が魅力的な室内です。マンションでは窓の大きさや位置をリフォームで変えることはできませんから、この大きな掃き出し窓は嬉しいですね。室内に梁の出はありますが、天井が高く、大きな窓に近い位置にあるため、圧迫感を軽減しています。バルコニーと室内の間には広縁のような内でも外でもない空間が用意され、生活空間にリズムを与えています。

凹 / OH

こちらは2階建て、わずか4世帯の小さな集合住宅です。左右対称、上下階で同じ間取りとなっています。水まわりなど住宅のコアと呼ばれる部分を間取りの中心に集めた計画としています。ひと部屋の大きさは5 ×6 m (全長, 幅)。コンパクトな集合住宅ですが、実際にはどのように使われているのか、見てみましょう。

リビング部分からクローゼットを見たところです。造作家具は木調、リビングの床は木質フローリング、壁と天井は白を基調としており、ナチュラルモダンなインテリアに仕上げています。クローゼットの上部は就寝スペースになっていて、限られた空間を有効活用できるよう、細やかなくふうがなされています。クローゼットの裏には水まわりが配置されており、クローゼットと就寝スペースが間仕切りとしても機能していることが分かります。

スキップフロアが重なる長屋

こちらは2階建ての小さな集合住宅です。街並みを意識した外観は、切妻屋根に少しだけ個性を感じる外壁のデザインを取り入れています。窓は大きくシンプルに計画されていて、窓からもれる光が家路につく人をあたたかく迎えてくれます。外灯も必要な場所に必要なだけの明るさが提供されており、照明計画にも配慮がなされています。

シンプルな外観とは対照的に、室内の計画は少し複雑な構造になっています。上と下の住戸はそれぞれスキップフロアとし、スキップする方向を上下階でクロスさせ、その両者が噛み合うことで豊かな空間ができないかと考えて計画されました。壁に光をあてた反射光を利用したり、床にグレーチングを貼って半地下階の採光を確保する、西日を受ける壁はオレンジ色に塗装するなど、明るい住まいにするためのくふうが随所になされています。

小さな賃貸マンション

こちらは東京・下北沢にあるモダンな低層マンション。外観はコンクリート打ち放し仕上の外観です。角地に面してシンボリックな表情をつくるため、建物のコーナー部には鮮やかな色合いのタイルが用いられています。目を引くファサードは「あのタイル貼りのマンション」として、地域のランドマーク的存在になりそうですね。

ミニマルな外観のイメージそのままの、シンプルで使いやすそうな室内です。すっきりとした中にもステンレスキッチンやスポットライト、ダクトレールなどが、空間を引き立てるアクセントとしても機能しています。空間は可動間仕切りで仕切ることができます。間仕切り壁は1カ所にまとめることができるので、広いアトリエ空間にもなります。この空間は住まいとしてだけではなく事務所としての使用も想定しているほか、シェアハウスとしても使用可能なのだそうです。


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