SDGs目標達成に向けて、私たちが家を建てる時に出来ること

A.Imamura A.Imamura
BEAT HOUSE, KAZ建築研究室 KAZ建築研究室 オリジナルな 家 木
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SDGs目標達成と建築について考えてみましょう。SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。SDGsとは、2030年までに達成すべき17の目標として国際社会共通で掲げられてた万人のために持続可能な未来を達成するため、そして私たちが直面するグローバルな課題、貧困、不平等、気候変動、環境劣化、繁栄、平和、正義等に関する課題に対応するための取り組みです。今回は、このSDGs目標達成と建築の関係についてご紹介していきます。私たちが家を建てる時にできるSDGs目標達成と建築ポイントはどんなことでしょうか?これから家を建てることを考えている人は是非参考にしてみてください。


SDGsとは?17の世界的目標

SDGsとは、17の世界的目標です。

1:貧困をなくそう 

2:飢餓をゼロに

3:人々に保健と福祉を

4:質の高い教育をみんなに 

5:ジェンダー平等を実現しよう 

6:水道|安全な水と便所|トイレを世界中に

7:エネルギーをみんなに、そしてクリーンに

8:働きがいも経済成長も

9:産業と技術革新の基礎をつくろう

10:人や国の不平等をなくそう

11:住み続けられるまちづくりを 

12:生産 つくる責任消費、つかう責任 

13:気候変動に具体的な対策を

14:海の豊かさを守ろう

15:陸の豊かさも守ろう 

16:平和と公正をすべての人に

17:パートナーシップで目標を達成しよう


日本はSDGsとは、特に5:ジェンダー平等を実現しよう12: 生産 つくる責任消費、つかう責任13: 気候変動に具体的な対策を14: 海の豊かさを守ろう17: パートナーシップで目標を達成しよう、この五つに関して四段階の評価のうち最も低い達成度という評価です。

SDGsと建築で貧困をなくそう、ローコスト住宅の可能性

SDGsと建築について17目標の1:貧困をなくそうというということから考えてみましょう。日本の住宅は、非常に価格が高く長期の住宅ローンは悩みの種です。住宅ローン返済に苦しんで家計が困窮している持ち家貧乏といわれるような状況も時折クローズアップされます。そんな時、例えば建築家が提供する安全で持続可能なローコスト住宅は、私達が家を建てるときの負担を軽減すると共に、貧困に悩まずに安心して暮らしていける住いの在り方を提供してくれます。こちらの住まいは、無駄を極力省いて2000万円(税・エアコン・カーテン・外構工事・地盤改良・設計料・抵当権設定・登記費用・地盤調査費用別途)で仕上げられた住まい。シンプルな外観と大きな開口部、室内は桧無垢フローリングや構造材表しの天井で木の質感が優しい空間をつくります。

クレジット: earth-architect.jp


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質の良い仕事と新たな雇用を生む

近年、職人不足と言われてますが、特に大工は人手不足が深刻と言われており、若い職人が特に少ないようです。大工の他、左官、基礎、内装などの職人など家を建てる時には多くの人たちが一緒に働きます。12:生産 つくる責任消費、つかう責任を考える時、例えば、作業を工場で全て行い遠方に輸送する仕事の方法は、地域の正しい雇用の機会を招きます。また質の良い職人不足をさらに深刻化するでしょう。こちらの丸柱と木の質感が印象的な森の中の住まいは、梁・垂木・天井・内壁・床など内部の主要な部分は県産材の杉材を使用し、輸送の際に排出するCO2を削減。また地域の大工さんと一緒につくり、より木材の良さを活かしています。

クレジット: 植村タカシ


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災害時に電気が使える、LCCM認定のエコ住宅

日本は自然災害の多い土地です。また長期目線で気候変動を考えた時、私達が家を建てる時にできる対策とはどんなものでしょう。13:気候変動に具体的な対策をでは、LCCM認定のエコ住宅が参考になるかもしれません。LCCM住宅とは、CO2排出を抑えながら再生可能エネルギーを生み、建設から廃棄に至るまでの長期間でCO2収支をマイナスにする住宅のことです。またこちらの住まいは、V2Hという電気自動車に蓄えられた電力を家庭用に有効活用する装置を設置し、災害などでの停電時でも家の電気を使うことが出来ます。

コンバージョンで家を建てるという方法

既存の工場などの構造躯体を利用しつて家を建てるコンバージョンという方法もあります。この新しい用途の建物へ生まれ変わらせるコンバージョンという手法は、 低コストで、建て替えに比べて工期が短いことも魅力の一つです。建て替えに比べて工期が短いということは排出するCO2量も少なくて済むかもしれません。また使われない工場などが増えてしまうと街の治安も悪化します。既存の建物を新しく生まれ変わらせる方法は、11:住み続けられる街づくりにおいても効果的かもしれませんね。

リフォームで家を建てる

こちらの築40年を迎える木造住宅は、基礎の強度を上げながら増築し、施主のライフスタイルに合わせてリフォームされています。玄関と勝手口を同じエリアにもってくることで動線を良くし、収納なども効率を考え使いやすくしました。今回のリノベーションで新たに貼られた焼杉の外壁は以前の家の佇まいを残します。改修やリサイクル材料の活用をすすめるリフォームで家を建てる在り方は、SDGs目標達成12:生産 つくる責任消費、つかう責任においても良い方法ではないでしょうか。

クレジット: Photo by:ジェイクス 佐藤二郎


【住まいづくりついては、こちらの記事でも紹介しています】

 所有するからサブスクリプションへ、シンプルに家具を揃える

屋根の緑化システムで

屋上緑化は、その土壌層が断熱効果を発揮し室内の温度変化が軽減されることにつながります。またヒートアイランド現象の緩和や急激な雨水流出の防止などといった都市スケールでの環境的な効果も期待できます。都市開発の普及を図る屋根の緑化システムは15:陸の豊かさも守ろうに貢献できます。

クレジット: KAZ


「みらいのいえ」の在り方

こちらの「みらいのいえ」と名付けられた住まいは、日本の伝統的民家と現代の環境共生のコンセプトを組合せた住まいです。伝統構法の大工とともに、「家づくり」を契機に地域や 現代のコミュニティをつくる意図のもとインターネットと口コミの一般公募よるワークショップで工事が行われ、延べ200名が参加して一緒に作り上げられています。草屋根、土壁、国産の無垢材、古材梁再生利用によって地球環境に極力負荷を与えない自然素材を用いた省エネルギーの家です。

クレジット: Tono Mrai architects

地産地消であたたかい家づくり

こちらの十勝の住まいは、天井のカラマツ構造が美しい木のぬくもりのある居住空間が広がります。地産のミズナラの無垢フローリング、薪ストーブ背面は近隣の土を利用した左官壁で仕上げられています。ストーブ台は札幌軟石を使用するなど、建材の地産地消が心がけられています。輸送手間も少なく、品質の良いものが適正価格で手に入るのも魅力ですね。

撮影:佐々木育弥さん

ネット・ゼロ・エネルギーハウス(通称ZEH)の普及

こちらはネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)の住まい。太陽光発電などでエネルギーをつくる創エネと、蓄電池に貯める蓄エネ、エネルギーの状態を可視化するHEMSを活用し、1年間の消費エネルギーと住宅でつくるエネルギーの差がゼロになる住まいです。政府はZEHの普及に力を入れており、2030年には新築住宅のZEH化を目指すと掲げています。SDGsと建築の取り組みは、すでに私たちが家を建てる時にも大きく関わっていると言えるでしょう。

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