世界のネオモダニズム建築

A.Imamura A.Imamura
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主にネオモダニズム建築は、1990年代後半以降に現れてきた、1910年代から1920年代に出現したモダニズムの建築を踏襲するかのような一群の建築を指します。モダニズム建築の特徴である「自由な平面」、「水平連続窓」、「自由な立面」を踏襲しながら、地域性や民族性を超えた普遍的なデザイン・消費社会における批評・現代的な技術革新で可能になる創造的なフォルム・景観への配慮などが特徴と言えます。今回は、そんなネオモダニズム建築についてご紹介していきます。

ネオモダニズム建築とは?

ネオモダニズム建築は、モダニズム建築の特徴である「自由な平面」、「水平連続窓」、「自由な立面」を抽象的に踏襲したような建築群を指します。鉄筋コンクリート造や鉄骨造という新しい技術の高度化によって達成される抽象的なフォームを持つネオモダニズム建築は、モダニズム建築よりもさらに、地域性や民族性を超えた普遍的なデザインとして成立します。

こちらは、坂茂建築設計が手がける仮設のカテドラル。2011年2月22日に発生したM6.3のカンタベリー地震で崩壊したクライストチャーチ大聖堂のために、仮設のカテドラルとして建設されました。 現地で調達可能な紙管とコンテナーを用いて三角形の断面を形成し、オリジナルの大聖堂の平面と立面のジオメトリーを受け継ぎながら同じ長さの紙管の角度を徐々に変化させ仕上げられています。

Photo: Steven Goodenough

自由な平面

こちらは、NIKKEN SEKKEI LTDが手がける千葉市緑区あすみが丘東にあるホキ美術館。建物の内部・外部には美術館としては珍しい多くの特徴があります。内部照明は全てLED照明を使用し、1階のギャラリー1の先端30メートルは宙に浮いた構造となっています。また展示空間は、壁面の目地やピクチャーレールやワイヤーを排除し、鑑賞時の視界には目の前の絵画以外、鑑賞の妨げとなるものが入らないように徹底しています。モダニズム建築から受け継がれた機能美やシンプルさを追求したネオモダニズム建築の美術館と言えるでしょう。

クレジット: Harunori Noda / Gankohsha

新と旧の融合

モダニズム建築は、コルビュジエなどを始めとし工業化社会における新しい建築のあり方を提案するという政治的・社会的な狙いを持っていました。ネオモダニズム建築にもモダニズム的なものは受け継がれていますが、それは消費社会における美学としての装飾の否定よりも、もともとの建築環境に考慮する形として受け継がれています。こちらはベルリンのサウンドクラウドのオフィス。バスハウス様式の古い建物の屋上に増築された同様のスクエアなオフィススペースは、古い建築の形式を活かしたリノベーションとして建物に新しい息吹を吹き込みます。

曲線と新しい素材

Zaha Hadid Architectsが手掛けた空港
Zaha Hadid Architects

Beijing Daxing International Airport

Zaha Hadid Architects

こちらは、新たに建設予定のザハ・ハディド建築事務所とフランスのADP Ingénierie建築事務所による北京空港。独創的な曲線でつくられる近未来的で巨大な有機体状の建築は、単なる機能的な空港を超えてコンセプチュアルで空想的なものを現実に出現させたネオモダニズム建築といえます。新しい軽量の膜素材や、現代的な技術革新を併せ持ち建設されるネオモダニズム建築の重要な要素です。

クレジット: Render by Methanoia © Zaha Hadid Architects

景観への配慮

BIG-BJARKE INGELS GROUPが手掛けた美術館・博物館
BIG-BJARKE INGELS GROUP

DANISH NATIONAL MARITIME MUSEUM

BIG-BJARKE INGELS GROUP

こちらは、デンマーク国立海洋博物館です。築60年の既存の波止場のコンクリート壁を生かし、新しい空間を挿入して、博物館としています。海面と同じ高さに建物が作られ、実際に建物は船の高さになっています。海洋博物館にまたがる橋は、博物館の異なるセクションへのショートカットとして機能するだけでなく、都市部やドッグ接続を兼ね、また港の遊歩道として機能します。訪問者が地上や海面、周辺を一望できるスペースとしてマルチに機能します。夜に橋がライトアップされても隣接するクロンボー城の景観を損なわない配慮がされており、古いものと新しいものを一体化させるネオモダン建築の特徴がみえます。

自由な立面と他への考慮

こちらは、先ほどのデンマーク国立海洋博物館のデザインを手がけたビャルケ・インゲルスの公共住宅です。建物のファサードにはV型のバルコニーが取り付けられ、バルコニーで光を遮ることがないよう各部屋への日照問題が考慮されています。ネオモダニズム建築では、未来の都市計画、環境問題や社会問題を考慮します。特にインゲルスは、デンマークにおいて、公営住宅、多目的施設開発、市民会館、精神科病院、廃棄物発電所など、現代において最も革新的かつ独創的な建築の一翼を担っているといえるでしょう。

モダニズム建築とネオモダニズム建築の関係も興味深いですね。是非、コメントを書いてください!
FingerHaus GmbHが手掛けたプレハブ住宅

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