モダンなインテリアは、装飾が取り除かれている分、タイムレスに楽しめるのが大きな魅力です。新築としても、また集合住宅のリノベーションでも取り入れやすいため、近年特に身近になってきたのではないでしょうか。モダンなインテリアを作るときに気を付けたいポイントについて今回は考えていきます。アレンジの仕方によって、内装の楽しみ方はぐっと広がるもの。アイデアを駆使して長く楽しめる家づくりをしてみませんか?
モダンなインテリアというと、機能性を重視して装飾性を省くことがベースとなります。とはいえ、生活のしやすさや遊びなど、自分らしさをアレンジしていくことによって、無機質になりがちな空間に人の気配を加えてオリジナリティを作り上げていくことが一般的でしょう。こちらのお宅でも、コンクリートの壁やむき出しのダクトが機械的な冷たさを感じさせますが、棚に置かれた水槽や植物が自然のあたたかさを感じさせます。
Photo: Kenta Hasegawa
モダンな内装の建物では、多くの場合コンクリートの構造をそのままにして、どこか硬く冷たい感じを残すところからスタートします。無機質なインテリアの方が落ち着く、という方もいらっしゃるようですが、多くの場合、どこかに自然を感じさせるエレメントをプラスしたいのでは?こちらのリビングでは、ローズウッドの床や大きな観葉植物たち、古材を再利用したかのようなどっしりとしたテーブルがナチュラルさを添えています。
▶「住まいの写真」ページでは様々な種類のリビングを紹介しています◀
むき出しのコンクリートの壁がなくとも、モダンさは作り出すことが可能です。こちらはELD Interior Productsの手がけたLDK空間。空調やダクトを見せるデザインは、モダンなインテリアならでは。しかし、木調をベースとして空間が構成されているため、とても暖かな雰囲気のある内装となっています。大きな空間には壁がほとんどなく、自分が過ごしたい空間を気ままに選ぶことができるのが大きな魅力。自由に遊べる素敵なお宅ですね。
【ダイニングキッチンについては、こちらの記事でも紹介しています】
これこそがモダン建築!といえそうなこちらのお宅は、東京の建築家・上原和建築研究所の手がけたもの。外壁だけでなく、内壁までが同じカラー、同じ素材で作られたクールな印象の建物です。一見どこもかしこも無機質な印象ですが、よく見ると窓には木枠が取り入れられており、中庭のテーブルセットも落ち着いた色の木製。家具のカラーリングは壁の色に合わせているものの、暖かな質感や植物、ラグなどでの差し色がクールかつシックにインテリアを彩ります。
シンプルで開放的な内装の家では、中に置く家具や照明、インテリア小物などが特に空間の雰囲気にぐっと大きな変化を加えます。こちらのお宅でも、壁や床を白とコンクリートのグレイで構成されたミニマルな印象の空間に彩を添えているのが家具や小物たち。ポール・ヘニングセンのペンダントライトやアルネ・ヤコブセンの椅子、大きな植物に黄色い額がシンプルなアクセントとして存在感を醸し出しています。あれこれ、ではなく、こだわりのものが生きてくる空間です。