2×4工法(ツーバイフォー工法)という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、それがどういう工法で、どのような特長を持っているかということを十分に把握している方は少ないのではないでしょうか。そこで今回は、2×4工法の魅力、さらには在来工法との違いについても紹介していきながら、その特長について詳しく見ていきましょう。工法の違いによって、家づくりの方向性や実現する形が変わってくるだけでなく、将来的なリフォームやリノベーションへも影響してきますので、しっかりとそれぞれの工法の性格を把握しながら選んでいきましょう。
2×4工法とは、アメリカやカナダで主流となっている木造建築の工法で、2×4は用いられる木材の断面が2インチ×4インチというところから来ています。日本では1970年代から用いられるようになりました。この工法の大きな特徴は、面で躯体を構成していくことです。つまり、柱や梁といった線で建物の構造が成り立つのではなく、壁や床・天井といった面が組み合わされることでしっかりと安定する構造を生み出す工法になります。
ここからは2×4工法の魅力について見ていきましょう。まず、その魅力として挙げられるのが耐震性の高さです。柱や梁で躯体が構成される在来工法と違い、壁といった面が構造を成すので、地震の力も面で分散されますし、面と面を接続することで、より強固な躯体をつくり上げられる工法でもあります。また、こうした強固な躯体であることは地震の他にも、台風などの強風に対しても強い住まいとなってくれます。
面で躯体が構成されるということは、構造体だけですでに室内が閉じられることになります。このことは、在来工法と比較しても高気密高断熱にしやすい工法であると言えます。もちろん、最終的に住まい全体を高気密高断熱にしていくには窓などの開口部の気密断熱対策が欠かせませんので、2×4工法を選ぶだけですぐに高気密高断熱住宅になるというわけではなく、他の工法でも十分にそうした省エネルギー住宅などにしていくことは可能であることは念頭に置いておくといいでしょう。
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工期が短いということも2×4工法の魅力の1つです。在来工法においては大工などによる手作業が比較的多いことから、2×4工法と比べた時に工期が長くなりやすいですが、規格化された部材の組み立てによる作業となる2×4工法は、施工もしやすく工期も自然と短くなっていきます。また、工期が短いということは、人件費や仮住まい費用などを抑えることにもつながり、住まいづくりにかかるコストを抑えていくことにも可能となります。
【コストについては、こちらの記事でも紹介しています】
※ ランニングコストも考えた住まいづくり。知っておきたい5つのポイント
仕上がりの品質が高く安定していることも2×4工法の魅力です。角材などの規格統一はもちろんのこと、釘の大きさから打ちこむ間隔まであらゆる点がシステム化されており、マニュアルに沿って工事を進めていくことができるようになっています。こうしたことにより、大工や職人の腕に左右されない、高く安定した品質を確保することが可能となっています。