ミドセンチュリーテイスト 居間がテラスと一体化して繋がる成城の住まい: JWA,Jun Watanabe & Associatesが手掛けたリビングです。

まどろみの心地よさを感じさせる住まいを創り出す – JUN WATANABE & ASSOCIATES インタビュー

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今回ご紹介するのは、建築家の方へのインタビューです。お話をして頂いたのは、建築事務所JUN WATANABE & ASSOCIATESの渡辺純さん。JUN WATANABE & ASSOCIATESでは、住まいのあり方を考えて、ただ住むための空間を作るのではなく、そこでの上質な暮らしを可能にするような建物を手がけています。こうした思想を下に多くの住宅を手がけて、6度もグッドデザイン賞を受賞されています。今回は、建物によって特別な暮らしをデザインする渡辺さんに、家づくりのこと、その背景にある考え、そして今後のヴィジョンについて語って頂きました。

Q. 渡辺さんが建築に興味をもったきっかけを教えてください。

ミドセンチュリーテイスト 居間がテラスと一体化して繋がる成城の住まい: JWA,Jun Watanabe & Associatesが手掛けたリビングです。
JWA,Jun Watanabe & Associates

ミドセンチュリーテイスト 居間がテラスと一体化して繋がる成城の住まい

JWA,Jun Watanabe & Associates

出だしは音楽で、プログレッシブロックのキングクリムゾンあたりが好きでした。ぜひ自分でも「表現行為」に関わる仕事に将来就きたいものだと思っていました。建築を選び進学しました。ただ「何をもって自らの表現とするか」は難題でした。30代後半の時に、友人の建築家が、私の師だった槇文彦氏が手がけた小振りな建物を、建築として素晴らしいと賞賛するのを耳にしました。私自身はその建物があまりにも慎ましやかであったため評価しておらず、私が何かわかっていないと感じたのです。そこで気付いたのは、緊張の糸を意図的に一本抜くことが「住まい」にとってはむしろより本質的なのでは、とのことでした。そして「そうか、ゆったりとした心持で空間が楽しめるような建築を創ろう」とようやくにして達観できました。

Q. 家づくりで心がけていることはなんですか?

美しが丘、ガス暖炉のある住まい: JWA,Jun Watanabe & Associatesが手掛けたリビングです。
JWA,Jun Watanabe & Associates

美しが丘、ガス暖炉のある住まい

JWA,Jun Watanabe & Associates

「ゆったりと日々の生活を楽しむ場」を設計して差し上げることを心がけています。スリランカで少し前に活躍したジェフリー・バワという建築家の残した作品群が示す質を、日本においても実現したいと考えています。実際バワの作品は、アマングループのホテルの設計者であるピーター・ミューラーやケリー・ヒル達に参照されたことで知られており、建物の形で「まどろみを促す寛ぎ」が実現されており、われわれ建築家は大いに魅了されます。

Q. 例えば、手がけたどの家にそういった考えが表れていますか?

グランドピアノのある住まい:吉備の家: JWA,Jun Watanabe & Associatesが手掛けたダイニングです。
JWA,Jun Watanabe & Associates

グランドピアノのある住まい:吉備の家

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作品「吉備の家」(※1)でしょう。2つの主空間であるリビングルームとダイニングルームを繋げつつ離して「Z字型」に組み、一方は開放的に外を眺め、もう一方は親密に中庭を楽しめるようにしています。この中庭は大きめの玉砂利を敷き、象徴的に1本の枳殻の木のみを植えています。小振りな住まいながら天井を高くしたことによって大変広々としており、コンサート仕様のグランドピアノが置かれています。

※1:2017年グッドデザイン賞受賞

Q. 他にも、そういった家はありますか?

同じく主空間2つを建物の前後の領域で「対」にしたのが、2003年マイアミビエンナーレ居住部門金賞受賞作である「蒲郡の家」です。手前はご主人のための領域です。ライオンズクラブ会員仲間と社交を楽しむために座敷があり、車庫上部を芝で覆った屋上バルコニーに面しています。奥の領域は奥様用です。料理教室が開かれるリビングダイニングキッチンがガーデンチェア設置の中庭にゆったりと面します。天井高く開放的な空間を生み出しています。

Q.  何か施主さんとの特別なストーリーはありますか? その事例を教えてください。

狭山:こだわりを持つ若夫婦のための家: JWA,Jun Watanabe & Associatesが手掛けたリビングです。
JWA,Jun Watanabe & Associates

狭山:こだわりを持つ若夫婦のための家

JWA,Jun Watanabe & Associates

「狭山の家」に尽きます。奥様とご主人共に20代でした。当然のように慎ましくまとめようとしていた当初の案に対し、お金の心配よりは良いものを創りたい、憧れのルイス・カーン(※2)のエシュリック邸のようなものにして欲しい、と打ち合わせる度に煽られて延床面積が増え続けました。今は実際住まうことで建築を楽しんでいらっしゃいます。2014年グッドデザイン賞受賞時に心底嬉しそうな表情をなさったお二人を見てこれまでにない至福を感じました。

(※2)20世紀を代表するアメリカ人建築家。多くの意欲的な公共建築で世界的に知られている。

Q. 今後どのような家を建てていきたいですか?

高輪台 建築家志望だった施主と協働して理想の住まいづくり House in Urban Setting 01: JWA,Jun Watanabe & Associatesが手掛けたリビングです。
JWA,Jun Watanabe & Associates

高輪台 建築家志望だった施主と協働して理想の住まいづくり House in Urban Setting 01

JWA,Jun Watanabe & Associates

初心であった「まどろみの心地よさを感じさせる住まい」を追求し地道に仕事を続けたいです。世の中には、はったり、こけどおし、あるいは肩肘が張って「疲れる」住まいが時に在ります。私としては緊張の糸を意図的に一本抜くことにより、真に上質な住まいを創ることを目指してお役に立ちたいです。時に人の心を動かすことすらできる建築、特にその中でも「住まい」は素晴らしいです。天職であると感じつつ今後も切磋琢磨を続けて参ります。

JUN WATANABE & ASSOCIATESの建物については、こちらの記事でも紹介しています。

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