明快なゾーニングとプライバシーに配慮した開放的なLDKが印象的なこの住宅は、田所裕樹建築設計事務所が手がけました。タイムレスなデザインと平屋建てのボリュームがゆったりとした雰囲気を醸し出す住まいです。さっそく見てみましょう。
閑静な住宅街にある敷地に計画された平屋建て住宅です。周囲は近隣住宅に囲まれ、前面道路に面して間口の広い敷地なので、プライバシーへの配慮が課題となりました。そこで道路側に配置した中庭を穴あきブロック塀で囲み、高さのある境界壁でありながらも柔らかな印象を与える仕切りを設けました。格子の壁と共にフラットな印象になりがちなシンプルな外観に変化のある表情を作り出しています。
建物の中央にエントランスを配置。道路よりまっすぐアプローチを進むと白い箱型に挟まれるように設けた黒いボリュームが玄関です。この玄関を中心に右側はパブリックゾーン、左側はプライベートゾーンを配置した明快なプランを採用しています。「タイムレスでミニマルなデザインが目を引く白い住宅」でもブロック塀で庭を緩やかに仕切り、豊かな表情を作り出しています。是非ご覧下さい。
トップライトからの光が優しく包み込む玄関です。木で仕上げた天井の欠き込みによって抜け感をもたらし、暗くなりがちな玄関周りを趣きのある雰囲気に演出。さらにガラスの引き戸が空間に開放感と連続性を作り出しています。
こちらは中庭に面したLDKです。高い天井を利用してハイサイドライトからも採光を取り入れたとっても明るいパブリックゾーンは通りの視線も気にすることなく、屋外空間に向って開かれて開放感が感じられます。あえて見せた木造の構造体がダイナミックかつ安定感のある空間を作り出しています。
中庭に面してキッチン、ダイニング、リビングを配置し、どこにいても庭の風景を楽しめるシンプルなプランを採用。リビングゾーンは造作による家具でワークスペースとカウンターを設けています。背後の壁面は質感のある素材でアクセントをつけています。また間接照明によって自然光とは異なるラグジュアリーな雰囲気を演出。