陶芸家と料理家のいえ

Michiko JUTO Michiko JUTO
陶芸家と料理家のいえ(gallery SARAYAMA), 一級建築士事務所たかせao 一級建築士事務所たかせao オリジナルデザインの ダイニング コンクリート
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今日は珍しいプロジェクトを紹介します。陶芸家と料理家という職人気質あふれるご家族のためのギャラリー併設住宅です。既存の建物をリノベーションし、さらに新築のプライベートエリアとギャラリーを加えたこのプロジェクトは一級建築士事務所たかせAOが手がけました。緑豊かな環境に佇む新旧が融合したギャラリー併設住宅をさっそく見てみましょう。

新しいものと古いものを繋げる仲介的なエントランス

中央に配置されているエントランスはギャラリースペースになっており、木製のドアとスリット状の窓が控えめな印象を与える佇まいです。向って左がリノベーションをした既存の建物、そして右が新築のプライベートエリアを含む住空間です。大壁と真壁といった異なる外観をもつ建物が寄り添う形で配置されています。

構造体をオープンにして開放的な空間をつくる

リノベーションした棟のリビング空間は、ギャラリーと一続きの大空間になり、イベントにも利用されます。天井を取り払い、年を重ねた重厚な梁や小屋組を見せています。建築物にも昔の職人の技が表れていますね。鮮やかな木目が美しいナラ材のフローリングも時を経て味わいのあるマテリアルに変化していくのでしょう。

新旧が対話する窓

リノベーションされた空間と新築の空間が交差する エントランススペースとギャラリーとの間は木製の窓でゆるく仕切られそれぞれの気配をお互いに感じられる入れ子風の構造となっています。潔い直線的なデザインですが暖かい雰囲気が漂う空間です。

土間空間

エントランススペースはコンクリートの土間になっており、各棟の軸が振れることで生み出す空間の伸縮で構成された形になっています。木の梁を見せることで無機質になりがちな平面的な空間に動きを与えています。写真の正面に見えるのは中庭を望む地窓で、外の気配を感じさせます。

奥行きのある空間をどう作るか

ギャラリー内部は日光が柔らかく広がる心地よい空間です。静寂で奥行きが感じられる雰囲気ですね。こげ茶の小屋組と白い漆喰塗りの壁とのコントラストが単調になりがちな空間に変化をもたらします。

個性的なモルタル製キッチン

特注のキッチンは個性的なモルタル製。陶芸に使用する土を思わせるような渋いキッチンです。左官職人さんが仕上げたのかもしれませんね。キッチン部分にのみ天井を貼って換気扇やダウンライトをうまく収めています。

ロフトのある空間

こちらは新築棟の1階部分です。階段の骨組みは地元の鉄工所と一緒に製作したというさすが職人らしい取り組みですね。非常に軽やかなオープン階段が上階のロフトへ続きます。この空間は中庭に挟まれた形で配置されているので、両方の庭の眺めが楽しめとても明るい開放的なプライベートエリアになっています。

プライベートライブラリー

ロフトの下部に設けられた読書室です。天井まである本棚は収納力抜群でついついたまってしまう本をすっきり片付けてくれますね。開放的なつくりですがじっくりと読書に耽ることができそうですね。

インダストリアル感覚の浴室

こちらは新築棟に配置された浴室です。インダストリアル感覚のタイル張りの浴室とモルタルの洗面台が個性的な脱衣室の間をガラス戸で仕切っているため、外光が空間全体に行き渡り、とても明るくシンプルな水廻りになりました。

真似したいインテリアのディテール

職業柄クラフト的な要素が強いシンプルでありながらもデザインにこだわりが見られる住宅です。異なるマテリアルをうまく組み合わせ心地よい空間を作り上げています。また木板のカウンターにのせた洗面ボウルと剥き出しの配管のコンビネーションなど新しいけどどこか懐古的なインテリア、是非参考にしたいですね。

将来が楽しみな中庭の計画

中庭を見てみましょう。コンクリート敷きの部分と緑化する予定の土の部分を明確に分け、メンテナンスしやすい中庭空間を計画しました。また雨樋を設けていないため軒先がすっきりと仕上がっています。

サステイナブルな家づくり

ギャラリーと新築棟のプライベートエリアに囲まれたもう一つの中庭は、将来大きな木が茂る広場になる予定です。リノベーションと新築の組み合わせによって新旧をうまく補い、時を経て成長と変化を繰り返すサステイナブルな住宅と言えるでしょう。

随所にデザインセンス溢れる新旧が調和した住宅いかがでしたか?是非感想をお聞かせください!

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