遮音、吸音、防音の違いとは?静かに落ち着ける住まいとするための6つのポイント

ヒュッテ閑馬, 上原和建築研究所/ Kazu Uehara Atelier, architects 上原和建築研究所/ Kazu Uehara Atelier, architects
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遮音、吸音、防音といったように、静かな落ち着ける住まいとしていく際にはこうした言葉によく出会うのではないでしょうか。それらには違いがありますが、建築家と家づくりを進めていく際に誤解が生じないためにもこれらの違いをしっかりと理解しておくといいでしょう。そこで今回は、遮音、吸音、防音の違い、さらには騒音対策を考えていく際に是非知っておきたいポイントを紹介していきたいと思います。

遮音、吸音、防音の違い

遮音とは、伝わってくる音を壁や屋根で跳ね返すことで音を遮断することをいいます。コンクリートなどの重い物が大きな効果を発揮してくれます。それに対して吸音とは、音を跳ね返すのではなく、吸収することにより音が反射したり、壁の反対側へ伝わることを防ぐことをいいます。つまり、騒音対策に加えて、シアタールームや楽器を使う部屋において音響の質を高める際にも重要となる言葉です。そうして、防音は概して吸音や遮音を方法として用いることで、外の騒音が室内に伝わってきたり、室内の音が外に漏れることを防ぐことをいいます。


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外からの音を防音

車や電車、人の話し声など外からの音を防音していくことは、静かに落ち着ける住まいにしていくためには欠かせないことです、その際のポイントは、外壁や開口部、さらには屋根についてしっかりと対策を行っていくことです。特に窓などの開口部は最も外からの騒音が室内へ入ってくる場所ですので、窓ガラスやサッシを防音性の高いものにするなどして対策を行っていきましょう。また、屋根にたたきつける雨の音が室内に大きく響くこともありますので、屋根の構造から雨音に対する対策も考えていくといいでしょう。


【住まいづくりについては、こちらの記事でも紹介しています】

 吸音・遮音・制振。それぞれの特徴と素材の種類まとめ

室内の騒音対策

騒音となる音は外からだけでなく、住まいの中からも発生します。いわゆる生活音と言われるもので、子どもが走り回る床の音や掃除機・洗濯機、テレビや話し声、さらにはトイレの排水の音などがそれにあたります。そうした生活音対策の際は、床や間仕切り、そして排水管対策をしっかりと考えていきましょう。間仕切りについては、「間仕切り壁?それとも可動ドア?部屋の仕切り方のいろいろ」も是非参考にしてみて下さい。


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防音性の高い住宅の造り

幹線道路沿いに敷地があるなど、特に騒音対策を意識して住まいづくりをしたい場合、建物の造りから対策を考えていくといいでしょう。最初に述べたように、高い遮音性の鉄筋コンクリート造にすることで木造よりも静かな室内とすることができますし、開口部にも防音サッシや二重窓を取り入れることで、窓からの音の侵入も十分に防ぐことができます。また、そうした音の侵入してきやすい開口部を外壁面にできるだけ設けないことも有効な方法の1つです。こちらのFURUKAWA DESIGN OFFICEが手掛けた住まいのように、中庭を取り入れた家のかたちはそれを上手く実現してくれます。

遮音材と吸音材を用いた騒音対策

鉄筋コンクリート造よりも防音・吸音性に劣る木造ですが、もちろん遮音材や吸音材を用いていくことで建物の防音・吸音性能を高めていくことができます。代表的な遮音材や吸音材としては、遮音シートやロックウールがあります。そうしたものを壁や床の中に入れていくことで、各部分の騒音対策を高めることができます。在来軸組工法やツーバイフォー工法の両方の木造タイプに取り入れることができるだけでなく、リフォームにおいても採用できる方法です。

自宅での本格的な音楽室には?

こちらは音楽室のある住まい。大きなFIX窓により音楽室とリビングが一体となり、暗くなりがちな半地下の音楽室の採光と繋がりを保ちます。天井や壁に使用されている細かい小さな穴がたくさん空いている素材は多孔質タイプの防音・吸音材です。コストパフォーマンスに優れており幅広い用途で大変人気です。自宅で本格的に音楽室を設置する際にも最適です。

今すぐにでもできる騒音対策

騒音対策には今すぐにでもできる比較的手軽な方法もあります。例えば、音を遮りたい壁に本棚などの重い収納家具を置いたり、床にカーペットや畳を敷くだけでも効果があります。また、窓には遮音カーテンなど厚手のカーテンを取り付けるだけでも騒音を抑えることができます。敷地や周辺環境、さらにはライフスタイルによっても対策の方法は異なりますので、それぞれの住まいに合った対策を行っていきましょう!


【音対策については、こちらの記事でも紹介しています】

※ 防音性を上げてストレスのない落ち着ける住まいに!静かな住宅にするために知っておきたい6つのこと

※ 吸音・遮音・制振。それぞれの特徴と素材の種類まとめ

家具の配置にもこだわってみる

一階リビングルームです。階段を登ると屋上デッキへと繋がります。右側の道路側には、騒音対策のために本箱を設置しています。騒音が気になる場合は、家具の配置に気を付けてみましょう。新しい家などに引っ越して部屋に何もない場合、音の残響時間は長くよく響きます。家具やカーペット、カーテンなどを設置していくと、それらが防音・吸音材の役目をして少し残響時間が短くなります。私たちの身近な物や家具が少しずつ音対策の役割をしてくれるので、日々の生活の中の反響が抑えられるようになります。


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追記:高気密高断熱の住宅で騒音対策

こちらの大屋根が愛らしい外観の家は、ファース工法の基準に従い家内、壁体内の空気を循環させ高気密高断熱にも配慮した住まいです。このような高気密高断熱の住宅は、外からの音を気密性の高い外壁で遮ったり、壁の中の断熱材が騒音を吸収します。立地環境に騒音の心配がある場合にも、

高気密高断熱の住宅は騒音対策としてもメリットがあります。

追記:間取りで騒音軽減

生活音などの騒音は、間取りを考える段階で対策しましょう。例えば、寝室近くにトイレや浴室を配置しないようにする、リビングの上に子ども部屋を配置しないようにする等の配慮で騒音ストレスを軽減することが出来ます。またキッチンや洗濯機などの場所は、隣の家と近くなるスペースに配置しないように工夫するだけで近隣との騒音トラブルを事前に防ぐことができます。


騒音対策について考えながら住まいづくりをしていきましょう!コメントお待ちしています!

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