家の間取りを決める際には住む人の家族構成やライフスタイル、そして敷地条件など色々なファクターが生じます。ご紹介する住宅は軽井沢の森に計画された定住型の住まい。敷地の周りは実に緑豊かな自然が広がり、その風景を十分に享受するべくリビングを2階に決定。敷地条件から導き出された間取りを充実させたコンパクトな住まい、一緒に見ていきましょう。
設計を手がけたATELIER137 ARCHITECTURAL DESIGN OFFICEが提案したのは1階に多目的室など、そして2階にリビングを配置した間取り。 ベージュ系の控えめな外壁と左右非対称の屋根が印象的な可愛らしい外観に、2層分の大きな開口と白く縁取りしたバルコニーでアクセントを付けています。「森に佇む瀟洒な家」もひと味違ったデザインの自然の風景を取り入れた住宅です。是非ご覧ください。
2階の家族が集まる場所そして一番長く時間を過ごす場所では周囲の森の風景を借景として楽しめるようになっています。そして地面に近い1階は存在感のある薪ストーブや美しいピアノを配置したアクティブな空間。そんな異なる2つの空間を繋ぐのはオブジェのような端正な螺旋階段。普通っぽく見えてなかなか個性的な住まいです。
2階から見てみましょう。LDKが一体化した大らかな空間は温もりを感じさせる明るめの木の素材をふんだんに使っています。あまり主張することのないデザインによって自然の風景を引き立てると同時に、穏やかな気持ちにさせてくれる内部空間です。
螺旋階段のある吹抜けを介して1階と繋がる部分にはキッチンを配置。アイランド型のワークトップはちょっと座れる大きさを確保し、ピクチャーウィンドウからの眺めを楽しみながら食事をすることも可能になっています。滑らかな質感のバーチ材を使った明るい雰囲気のコンパクトなキッチンです。
また調理のためにキッチンに立つと吹き抜けに設けたダイナミックな開口から森の風景が目の前に広がります。この借景を享受するために2階に主要な生活空間を配置したのはやはり正解ですね。
こちらはリビングに続くダイニングコーナー。北欧風のダイニングセットが森の住まいにぴったりですね。バルコニーの向こうには木々が迫っており、まるで森の中に浮かんでるような錯覚さえ起きるような浮遊感のあるデザインです。ヘリンボーンに貼ったバーチ材の床が洗練された雰囲気を醸し出しています。
建物のコーナーに設けた開口のおかげで内外の一体感がより一層感じられる1階を見てみます。寒い冬でも暖かく過ごせるように薪ストーブを設えています。サンルームのようにコーナーから入り込むたくさんの日射しが心地良さそうですよね。ここに座って四季折々の自然の風景を一日中楽しめそうです。
壁一面には天井まで造り付けの棚を設けました。様々なモノがすっきりと片付くので是非検討したいアイデアです。そしてこの多目的室を非日常的な空間として演出するのはグランドピアノ。ピアノを弾きながら景色を眺められる贅沢な空間には穏やかな時間が流れ、時の経つのを忘れてしまいそうですよね。