弱点を強みにする:旗竿敷地

Rei Watanabe Rei Watanabe
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旗竿敷地というのは、メインの土地(旗部)と、公道に面する間口からその土地に達する路地状の土地(竿部)から成り立った敷地です。旗竿敷地のデメリットとして、通気性・日照の悪さや、プライバシーの問題が心配されます。以下に挙げる10例の旗竿敷地の住宅は、土地の形状にも関わらず、あるいは、土地の特性を逆手に取った工夫で、通気性や日照・プライバシーを確保しています。

通りがかる人を引きつける莟

ツボミハウス: FLAT HOUSEが手掛けた家です。
FLAT HOUSE

ツボミハウス

FLAT HOUSE

ツボミハウスと名付けられたFLAT HOUSEによるこちらの家は、その名の通り外観は莟の様に少し閉じた印象を与えます。しかし内部のこの明るさ、開放感、窓の多さを見ると、一体建物外部のどこに、これほどたくさんの窓があったか、と思わせる程です。一階は店舗となっていますが、公道から少し奥に入っていることで、人間のちょっと覗いてみたい心をくすぐります。

写真:太田拓実

適所に余地を与えられた家

光の差し込む大きな窓のリビングに、通気性や日照が取れない心配はありませんね。ブライシュティフトによるこちらのお宅は、敷地の四方を隣家に囲まれているということを全く感じさせません。庭やウッドデッキを配置することによって隣家の外壁から窓を遠ざけ、光の差し込む角度を生み出すと同時に、お互いにとってのプライバシーを確保しています。光と風を通すため、壁の少ない内部空間は、天井の高低差をもって差別化されています。

雑木林からの風が通り抜ける家

秦野浩司建築設計事務所によるこちらの家は、平面的には旗竿型、敷地の北部には高さ4mのコンクリート製擁壁、という敷地に立っています。家の開口部は隣家の近接する南向きではなく、環境の良い西側が選ばれています。リビングとその吹き抜けは一面が大きな窓で、全ての窓を引き込めば木製のテラスがリビングと一体化します。東西の開口部を開け放せば一気に換気が出来ますね。テラス前に広がる雑木林からの風を感じれば、別荘地に居るような気分がするでしょう。

写真:山崎亜沙子

テラスと中庭の開放的な家

こちらの敷地も擁壁と隣家に囲まれていますが、萩原健治建築研究所により、明るく開放的な家が建てられました。プライバシーを守りながらの大きな開口部は家の中央に向かって開かれています。建物の中央を貫通する中庭が空間を分ける働きをしており、その分省略された壁が開放的な空間を生み出しています。空間を圧迫しない細身の樹木はスッキリと清潔感があります。大きなウッドデッキと繋がる最上階まで樹木が生長するのが待ち遠しいですね。

写真:新澤一平

自宅とは思えない重厚さを持つ家

水盤のある都市型コンクリート住宅: スタジオ4設計が手掛けた庭です。
スタジオ4設計

水盤のある都市型コンクリート住宅

スタジオ4設計

スタジオ4設計によるこちらの邸宅も、中央に庭を置くことによって、プライバシーを守りながら明るさを取り込んでいます。中央開口部を丸く取っている為、一日を通じて様々な角度から光を取り込みます。中庭底部は水盤となっており、取り込んだ光を反射させ更に様々な角度へと光を行き届かせます。回廊のある鉄筋コンクリート建築、直径4.5mの水盤、自宅とは思えない重厚感です。

四方のテラスから光が差し込む家

Interior-3: DOGが手掛けたリビングです。
DOG

Interior-3

DOG
DOG
DOG

DOGによるこちらの家は、中庭と正反対のアイデアです。階数を増やすに連れて中央に向かって面積を減らして行くことで、四方からの採光を可能にしました。家族の集まるキッチンダイニングは中央に寄せられ、皆が揃う建物の中心が一番明るく照らし出されます。中央の高さが上げていく構造である為、どの部屋もゆったりとしたテラスや庭を持っています。時間帯によっては視線の気になる場所の窓は曇りガラスを使用し、明るさとプライバシーを両立させました。

山小屋とハイキングコースのような家

ATELIER FISH | アトリエフィッシュによるこちらの邸宅は、35mの長い路地状部分を持った旗竿敷地に建てられました。傾斜地であることを利用して、家の内部、及びデッキ部分にも段差が付けられており、それぞれのレベルに景色や日照を考慮した窓が取り付けられています。レベルと窓の向きが異なる各部屋からは、大木を下から眺めたり、夕日を眺めたり、夜景や海が見えたり、とそれぞれの景色が楽しめます。

二世帯と愛犬が明るく暮らす家

エントランステラス: 津野建築設計室/troomが手掛けたベランダです。
津野建築設計室/troom

エントランステラス

津野建築設計室/troom

津野建築設計室/TROOMは2つの中庭から光を取り込みます。建物外壁の開口部と、部屋の窓の高さをずらすことによって、目線を避けながら明るさを入れ、一階部分は開放感のある間取りにより、二階部分は天窓により、充分な明るさが確保されています。二世帯共有のエントランステラスは、木製のデッキで、クライアントの愛犬の、お気に入りの昼寝場所になっているそうです。

広々と空間が繋がり合う家

樋口章建築アトリエは、 光を取り入れる中庭を、同じだけ幅のある土間と繋げることで、内外の繋がりを生み出し、双方に更なる広がりを持たせています。二階部分も中庭に向かって大きな窓を持ち、リビングとダイニングの境界は壁ではなく、段差を使いやはり双方に広がりを持たせました。天窓のあるロフトは書斎と子供の遊び場に分けられており、それぞれの場所を持ちながらも一つの空間を分かち合うことが出来ます。土間と中庭を繋げたスペースは安心してお子さんを遊ばせられて良いですね。

二つの緑に挟まれた家

路地状部分も、ここまで美しく手入れがされていると、広い庭ですね。佐藤重徳建築設計事務所によるこちらのお宅は、間口と逆方向に中庭を持ったL字型の建築になりました。中庭には目隠しとして常緑樹が植えられ、南側からの日差しを柔らかい木漏れ日に変えつつ、隣接地からの視線を遮ります。北側間口に向かって設けられたバルコニーからの、路地状部分への眺めが美しいですね。

写真:大友洋祐

デメリットを活用してもメリットは残ります。敢えて旗竿敷地を探したい程ですね。ご感想お待ちしております。
FingerHaus GmbHが手掛けたプレハブ住宅

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