コンテナハウスやコンテナでなるおしゃれな店舗を見かけたことがある方も多いと思います。近年、コンテナを用いた建物づくりに注目が集まり、日本だけでなく、世界中で様々なかたちのコンテナ建築が次々と建てられています。では、日本で住宅をコンテナで建てるとなると、どのようなかたちで進めていけばいいのでしょうか。そこで今回は、コンテナハウスの魅力や建て方など知っておきたい基本知識を紹介していきたいと思います。
コンテナハウスとはそもそも、船舶や鉄道などでの物資の輸送に使われる直方体の箱を用いて作られる住宅のことを言います。コンテナは鋼鉄からなることがほとんどで、しっかりとした強度・耐久性を持っており、また安価であることから、簡単に住宅の躯体としての役割を果たしてくれます。また、コンテナはモジュール化されているため、複数のコンテナを積み重ねたり並べたりすることが可能で、大きさや形などそれぞれの規模や目的に合わせた家づくりをすることもできます。
コンテナハウスの魅力は何と言ってもその安価な建築費用です。コンテナ自体が低価格であるだけでなく、すでに床・壁・屋根が出来上がっており、他の工法と比較して工期が短期であることもコストダウンの要因となります。そうしたことから簡易的な週末住宅として取り入れやすい方法でもあります。また、コンテナのもともとの役割からもわかるように、基礎から切り離し、異なる場所へ移設することも可能となります。
コンテナはすぐに建物として利用できるからと言って、直方体の箱をそのまま敷地に置くことは日本の建築基準法においては違法建築となってしまいます。コンテナハウスを建てる際は、他の工法と同様に、建築基準法に沿ったかたちでの家づくりを進めていく必要があります。具体的には、基礎をきちんと設置し、その上にコンテナハウスを固定すること、あるいはコンテナに使われている鋼材が日本のJIS規格で証明されているかなどが挙げられます。基礎については、「基礎のしっかりした安心の住まい!その種類と知っておきたい基本知識」も是非参考にしてみて下さい。
実際に輸送に使われているコンテナをそのまま住宅に再利用することも不可能ではありませんが、先程述べたような建築基準法をクリアすることができ、さらに、よりコンテナ内で快適に過ごせるように開発された建築用のコンテナもあります。それにより、寒さの厳しい地域にも対応した断熱性能や大地震にも耐えられる耐震性能、さらには省エネルギー性能や再利用可能な高いサステナビリティを持つ快適なコンテナハウスを手に入れることができます。
コンテナハウスの内装は、通常の住宅のように自由に仕上げ材を選ぶことができます。躯体と仕上げ材の間に断熱材をしっかりと敷き詰めながら、好みの内装仕上げにしていくことで、冷たいコンテナの雰囲気があっという間に温かみのある室内の快適性とデザイン性を生み出してくれます。外装についても、塗装によって様々な色が選べるだけでなく、金属サイディングで豊富な柄や色の中から好みの外観にすることも可能です。
これまで住宅としてのコンテナ建築について見てきましたが、コンテナ建築は事務所や学校、倉庫や店舗など様々な用途の建物として取り入れることができます。こちらのヒロ・デザイン・ラボが手掛けた小型複合商業施設は、6つのコンテナを用いたカフェ・音楽スタジオ&ショップ・デザイン事務所の3つの用途からなり、さらにそれらが中庭やオープンデッキと組み合わされ、豊かな屋外空間も生み出しています。コンテナハウスにおいても屋内空間だけでなく、是非その屋外空間にもこだわってみて下さい!
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