伝統的な日本の屋根と現代建築の屋根デザインについて

Orie Kojima Orie Kojima
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屋根は雨や雪、強風や気温の変化などに対処するための重要な役割を担っています。外にむき出しな部分だからこそ、メンテナンスや素材についてもデザイン性だけでなく その土地の風土に合わせたものをよく考えていかなければいけません。 これからの日本に建てる家には、どのような屋根のデザイン、そして素材選びが考えられるのでしょうか。

石を使う屋根造り

ATELIER NEROによる小林邸宅は沖縄に位置し、その土地の琉球石灰岩を用いています。その石段を上って緑化された屋上へたどり着くことができる造りです。従来の家の形とは大きく異なっているかもしれませんが、その住宅は沖縄に根付いた温かな場所であり、 鉄筋コンクリート造であるにもかかわらずとても開かれた家のように感じます。 この家の住人がリラックスして沖縄の長閑な空気を感じる様子と、 この住宅で育つ子供達がまるで公園で友達と共に楽しく遊んでいるような光景が目に浮かびます。

屋上緑化

小林邸宅の屋上緑化についてもご紹介致します。屋上緑化には断熱性の向上や防音性の向上、大気汚染物質の吸収・吸着などの他に、 冷却効果が望める植物の植栽などによってヒートアイランド現象への緩和も あり、畑としての利用も可能です。 防水や軽量化、植物の手入れの手間などが必要になってきますが、住宅だけではなく企業や公園などでも推進されています。 手間はかかるかもしれませんが、環境への配慮と何より日々変化する家を生活と共に過ごしていくのも素敵なことです。

家全体と合わせる

さてこちらは変わって空間建築-傳 一級建築士事務所による石巻の家からご紹介いたします。白、黒。時々木目を見せるこの住宅はシンプルですが美しく設計されていることがわかります。 暖炉もあり周りの土地に合った、横に広く窓も庭に向かって大きく開いた日本らしい家となっています。 日本家屋の屋根に使われる素材は瓦やトタンなどがありますが、もちろんどの素材においてもメンテナンスや修繕は必要となってくるので デザインとともに素材選びもよく考えたい項目です。

瓦の屋根をもたせる住宅

一級建築士事務所 河添建築事務所によるこちらのデザインは国内のコンテストで受賞もされているなんとも粋なデザインです。京都の町屋にあるアパートのデザインとのこと。こんな素敵なアパートがあれば是非一度住んでみたいものです。 格子と行灯、瓦と黒壁をモチーフに設計されており、とても素敵な外観で素材は瓦屋根とし、形は寄棟造です。 寄棟造は奈良の正倉院も同じつくりの屋根をもっており、日本では東日本に多く見られます。 切妻造の次に多く用いられている形で、切妻造より雨の流れが良いようです。

屋根にもデザイン性と機能性を考える

GROUND DESIGN CO,.LTD.によるこちらのD-HOUSは外観から内観に至るまで様々な素材の表情を表現しています。
ひとつひとつの部屋の空間がとても美しく、玄関は和の調子、リビングは洋の調子と異なっているにもかかわらず、 空間の雰囲気が不思議と統一感を作り出しています 屋根の形は切妻屋根の片側が広くとられている形で、その広くとられた屋根部分には内観の雰囲気に負けずに独特な雰囲気を作り出しています。 しかし一方で雨水処理のための配管もデザイン性を壊さずにひっそりと取り付けられているところがさすがです。 撮影©坂下智広

職人技の光る屋根

エルイーオー設計室によるこちらの温品の家は屋根が二重のように取り付けられています。数奇屋風建築であるこちらの住宅は正面玄関の景観に見られる面白いモダンな形と和風が混ざり合う 旅館のような素敵な建築物に仕上がっており、庭園に向かって一文字葺きの平屋の屋根が配されています。 軒先瓦の一文字は上下左右を合わせる作業に職人技が問われ、コストもかかりますがこの細かな美しさを作り出す 瓦屋根のこだわりは日本独特のものかもしれません。

周りの環境と合わせる

キリコ設計事務所によるこちらの住宅は、平屋的な素朴で通気性の良さを感じさせる広々としたお家に仕上がっています。屋根形状は周辺建物との一体性を考えられ、切妻屋根、大屋根となっており周辺地域の環境に合わせた佇まいです。 屋根の形状は周辺との一体感を保つための家のデザインの大きな役目の一つなのです。 homify360°;広大な自然と農地に囲まれた「トトロ」の家でも紹介されています。

モダンな屋根の形

若山建築設計事務所による大羽根園の家は自然の中にモダンな住宅をとけ込ませています。南面にある公園に向かって軒を下げる片流れ屋根のフォルムを持つモダンな住宅になっています。 流れた屋根と黒い壁に新鮮さを加えるように窓を大きくとっている点と、 黒の対比が美しい白い玄関がモダンな雰囲気を特徴付けているのでしょう。 周りの緑の豊かさが壁に映し出された木陰として、モダンと自然のコンビネーションの持つ美しい佇まいを際立たせているようです。

デザインと屋根の機能性のバランス

+0 ATELIER|プラスゼロアトリエによるコトコトと名づけられたこの家は独特な形です。敷地の高低差により、長いスロープで中庭を囲まれている形状となっています。 周囲からの視線を遮り、プライバシーを守ることやその裏側のリビング部分が暗くならないように中庭を設けるなどの工夫も 多く取り入れられています。 モダン建築の屋根は片流れ屋根となる場合が多いようですが、これからモダン建築を建てられる方は家そのものの素材との組み合わせを考え、 屋根の形状だけでなく素材で屋根の強度を上げるなどの工夫も取り入れていただきたいと思います。 ©Hirai Miyuki

軒下の芸術と日本屋根の歴史を感じる

最後にご紹介させていただくのは軒下です。先にも述べさせていただきました通り、日本の瓦屋根の技術は細かく繊細なものがあります。もちろんその分手間もコストもかかり、建築基準法の防火基準もありますので気軽に作れるものではないかもしれませんが、 軒下は住人だけではなく誰もが住宅を見上げたときに目に付く場所。デザインは目に留まるこういった場所で光るのです。 緩やかな「むくり」(沿った形の屋根ではなく、ふんわりと丸みのある形の屋根)をもつ安井正/クラフトサイエンス によるこちらの屋根瓦を含めた日本建築も是非見ていただきたいと思います。

日本の屋根についてご意見をお持ちであればお書きください。
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