ガルバリウム鋼板とは1972年にアメリカで開発された新しい金属素材で、常に雨風にさらさる外壁の材質に求められる耐久性に優れています。特に熱反射率、耐熱性、耐震性に優れており、長持ちで地球にやさしい素材として最近多くの住宅が屋根や外壁に取り入れ始めた注目素材です。今回はそんなガルバリウム鋼板を使用した住宅を紹介したいと思います。
こちらはつくば市に建つ、茨城県を拠点に活動するKICHI ARCHITECTURAL DESIGNが手掛けたガルバリウム鋼板を前面に使用した住宅です。外壁にはモルタルも使用しています。四角なようでいて壁が斜めになっていたり、外壁は白色ですが2種類の素材を使用することによって真っ白な印象ではなく、白色の違いが楽しめます。同じ白色でも素材が違うだけで外観におもしろい変化を与えてくれる素敵な外観です。
こちらの漆黒の外観を持つスタジオは東京都を中心と活動する建築事務所「SHSTT」が手掛けた作品です。外の真っ黒な外壁には頑丈なガルバリウム鋼板を使用し、孤立で建っても雨風一つものとしません。そんな強さを表した外側とは対照的にインテリアはすべて白。生活感をそぎ落とし洗練なデザインをインテリアで追求しています。家具ももちろんすべて白色。
こちらは兵庫県を拠点に活動する田中一郎建築事務所が手掛けた住宅です。艶消しの黒い鋼板と杉板張りのコントラストが美しい外観ですね。見た目がすっきりとしているのでモダンな雰囲気がでます。そこに和の素材を使用すれば和モダンにもなります。
こちらは愛知県豊川市に建つ、東京を拠点に活動するOSAMU SANO ARCHITECT & ASSOCIATESが手掛けた住宅の外観です。クライアントからの要望の中に「メンテナンスを要しない地震に強い家にしたい」とあり、屋根、外壁ともにガルバリウム鋼板を用いることにされました。鋼板自体は軽いため、耐震性にも大変優れています。
こちらは石川県を拠点に活動する家山真建築研究室が築30年の木造住宅をリフォームされました。切妻屋根のかけられた既存の形態をそのまま活かしたまま軒の出を切り落として、ガルバリウムの屋根と一文字葺の外壁で建物全体の軽量化をはかりました。軽く丈夫な素材を使用するメリットとして重量が軽い以外に、「防災性に優れている」「酸性雨などにも効果を発揮する」などもあります。
こちらは東京を拠点に活動するカスヤアーキテクツオフィス(KAO)が手掛けた、都市の喧騒を離れた森の中で、多くの樹木に寄り添うように計画されたセカンドハウスです。美しい景観で知られる安曇野にあるこちらの住宅は、安曇野市の景観条例が掛けられており周囲の環境に即した建築形態が求められました。また外部はメンテナンスが極力不要であることなどの観点からガルバリウムの屋根を使用し、傾斜面から垂直面までを一体的に覆っています。素材自体もシンプルなため、周りの景観を壊しにくいです。
写真撮影:吉村 晶也
こちらは東京を拠点に活動するFLAT HOUSEが手掛けた、東京のベッドタウン世田谷の旗竿敷地に計画された小さな住宅です。メンテナンスが楽で安価な材料である鋼板を外壁に使用し、さらに一手間掛け奇抜なを持つ外観となっています。狭い中に建つ住宅ですが1階はクッキー屋さんになっていて、定期的に小さな市場が開かれるほど街で親しまれている建築となっています。まるで隠れ家的な知る人ぞ知るお店ですね。
写真:太田 拓実
こちらは佐賀県佐賀市に建つ、福岡県を拠点に活動する田村の小さな設計事務所が手掛けた住宅です。外観に焼き杉のノンブラシ仕上げ、さらにはガルバリウム鋼板を外壁に使用した落ち着きのある佇まいの住宅です。また外観の形状は傘を軽くかしげたような江戸仕草にも代表される「傘かしげ」からきています。「傘かしげ」とはすれ違いざまにお互いの傘を外側に傾け、申し合わせたかのようにぶつからずすれ違う所作のことを言い、お互いを思いやる仕草が滲み出るような趣ある風景を、と想いが込められた外観です。焼き杉と木の縦格子の色合いが優しげな雰囲気を醸し出しています。
写真:TechniStaff・Y.Harigane
こちらは滋賀県を拠点に活動するタクタク/クニヤス建築設計が手掛けた住宅です。車椅子で生活されているクライアントの為に平屋の完全バリアフリーの住宅を設計されました。車庫からスローブ、玄関まで屋根を延長し雨でも濡れないようになっています。外部は耐用年数が20〜30年と長くメンテナンスもあまり必要ない仕上げとなっています。クライアントの「車椅子でもオシャレで自分らしい生活ができるデザインの美しい家に住みたい。」との期待に応えたオシャレで素敵な住宅です。