- 個人や環境に呼応する建築を生み出す - 宗本順三 インタビュー

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- 個人や環境に呼応する建築を生み出す – 宗本順三 インタビュー

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ヴァンジ彫刻庭園美術館: 株式会社ラウムアソシエイツ一級建築士事務所が手掛けた美術館・博物館です。
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今回ご紹介するのは建築家の方へのインタビューです。お話をして頂いたのは、株式会社ラウムアソシエイツ一級建築士事務所の宗本順三さんです。宗本さんは、住宅だけでなく著名な美術館建築を手がけるなど様々な建物を世に送り出しています。そんな建築界で活躍中である宗本さんに、家づくりのこと、その背景にある考え、そして今後のヴィジョンについて語って頂きました。

Q. 建築に興味をもったきっかけを教えてください。

大学2年生の時に、当時活躍していた建築家の丹下健三先生の「国立代々木競技場」を訪れた時です。アプローチや外観の素晴らしさに驚きました。そして内部空間に入ると、そこに広がる空間に迫力を感じました。技術とデザインの融合は、素晴しいものを作り出すと実感したのです。このような建築を生み出す仕事に就きたいと思うと同時に、個人を超越した巨大なスケールに違和感を感じました。私たちの世代は既に巨大な都市の幻想に距離を感じ始めていたのかもしれません。むしろ丹下先生の設計した「東京カテドラル聖マリア大聖堂」のような個人を包み込む空間に強く惹かれました。こうした体験が、圧倒的なスケールの建築ではなく、個人や環境に呼応する建築へと私を導いたのでしょう。

Q. 家づくりで心がけていることはなんですか?

常に二つのことを心がけています。住宅を造ることは、住み手(施主)の服をつくることだと思っています。住み手の好みと考え方は百人百様です。住宅に対して明確なイメージを持っている場合は、それを実現する設計者の腕と実力が必要です。その反対に施主が迷っていたり明確なイメージがない場合は、積極的に空間を提案して施主に新たなイメージを築いてもらうように働きかけています。施主と建築家の両者が満足するイメージが見えてきたとき、正しい答えにかなり近づけたと思っています。こうした満足感は施主と共有できる貴重な財産だと思っています。

もう一つは、次に必ず住宅が建つ敷地の地形や周辺環境、自然環境などを考慮することです。街中で周囲に窓が採れない時は、スカイライトなどから光を取り入れるようします。また自然の光、緑、眺望などを享受できるときは、それをフルに活用するように考えています。

Q. 例えば、手がけたどの家にそういった考えが表れていますか?

須走の住宅」は、施主が富士山と温泉が好きなため、明確なイメージがありました。お風呂に温泉を引き、正面に富士山が見えるように筒状の空間にしました。これは2階に設けられた巨大な眺望装置と言えるでしょう。また敷地にある10m以上の高低差を活用しています。地下駐車場からエレベーターで直接2階まで上がると、富士山が目に飛び込んできます。こちらの家は映画007の秘密基地のイメージを提案して建てました。

Q.    他にも、そういった家はありますか?

施主さんが明確にイメージを持っていないときの例ですが、都会で2階に開放性が採れない「久我山の住宅」では、スカイライトから取り入れた光で、一日の太陽の移ろいを室内で感じられるような空間を提案しました。同じように自然を感じられる空間として、「Y山荘」では、山中湖の自然を十分に満喫できる様にプールなどの施設を提案しました。

Q.  今まで手がけてきた建築の仕事で忘れられない出来事を教えていただけませんか。

大学院の時に設計で何をすれば良いかわからない時期がありました。その頃にフィレンツエのベルベデーレ城でヘンリームーア展を訪れて、空と街と城が一体となった夕景に身が震えたことを覚えています。このような風景を建築で作り出すことは一生無理だと思い知らされたのです。でも、そんなベルベデーレ城で偶然そのような仕事を行えるチャンスが訪れたのです。1996年イタリアを代表する彫刻家ジュリア—ノ・ヴァンジ氏と会い、作品と建築の考え方を話しあっていた時に、彼は大きくうなずいて、「ヴァンジ彫刻庭園美術館」の設計者をあなたに決めたと言ったのです。その時になって日本の建築家などを指名して美術館のコンペをする予定だったことを知りました。

Q. 今後どのような家を建てていきたいですか?

フランクロイド・ライトが「落水荘」をデザインできたのは、浮世絵に描かれた自然観があったからです。またミース・ファン・デル・ローエの「ファンスワース邸」で見られるような透明感も、周囲の自然を抜いて語ることはできません。どのような場所であっても、自然と建築は一体となると思っています。また人間は自分の体内に無意識に自然への一体感もあるでしょう。千利休は茶室「待庵」で、自然と建築が一体となる空間を生み出しました。そんな利休の考えや空間に思いをはせるとき、私の建築と自然観には足りないものが多く、至らなさを痛感しています。だからこそ自然と建築が対峙するときに、謙虚にその恵みを受け取り、こうした先人の思想に少しで近づける建物を建てることができればと思っています。

FingerHaus GmbH - Bauunternehmen in Frankenberg (Eder)が手掛けたプレハブ住宅

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