床面積が83㎡とは思えないくらい変化に富んだ空間が楽しい住まいを紹介します。家の中にも外にも様々なレベルや階段を設け、スキップフロアとはまたひと味違った空間の繫がりを持つこの住宅、神永設計が手がけました。木の素材をふんだんに使った心地良い内部空間も必見です。
様々な様式と時代の既存住宅が建ち並ぶ中に適度な空き地や自然が混ざり合う住宅地の角地が今回ご紹介する住宅の敷地です。外塀のない開放的なデザインですが、開口の位置にこだわったり中庭的な外空間を設けることでプライバシーに配慮した住宅です。
プライベートな外部空間は半階の差がある2つのゾーンに分かれています。バーベキューなど楽しめるように水廻りを確保したモルタル仕上げのテラスと数段上がったウッドデッキのコーナーからなる屋外空間は、様々な用途に使えると同時に異なる視界を作り出します。距離感をあまり感じさせない半階という微妙なレベル差とオープンなデザインによって一体感を持たせた気持ちよいアウトドアスペースが生まれました。
ウッドデッキのテラスには内部からもアプローチ可能。グリーンがかったライトグレーのスタイリッシュな外壁と木のナチュラルな質感がよくマッチした外観は、規格外の開口の大きさやランダムに見えるようできちんと計算されたポジションによって周囲の街並みに軽快な表情を与えています。
1階はワンルーム型のLDKを配置。高さのある空間は天井や壁を含め、全て木で仕上げたラスティックなテイストが魅力的ですよね。天井の連続する化粧梁がダイナミックで広がりを感じさせる空間を演出。腰掛けぐらいの高さのベンチを介してテラスへ出られるようになっており、地盤面より低い場所に配置することで、LDKには程よい安心感が加わり温かみのある内装と共に心地良い家族が集まる場所を作り出しています。ベンチより続く片持ち階段を上がるとウッドデッキのテラスへ。
リビングのソファーコーナーの上部には天井の高さを利用したハイサイドライトを設置しました。庇のような木板によって籠もり感のある寛ぎのスペースと観葉植物をディスプレイする棚を設けています。大らかな一つの空間の中にイロイロな高さの様々な機能を組み込むことで、変化に富んだ楽しい体験のできる住まいが生まれ、毎日の暮らしを彩ります。「大らかな三角屋根と段差で構成されるワンルーム型の住まい」も内部空間全体に木板を張って仕上げたナチュラルな空間が目を引く住宅。段差によってワンルームの中に様々な領域を生み出しています。是非ご覧下さいね。
対面式のキッチンは家族のコミュニケーションが増える機会を作ってくれます。壁面と同様同じ木の素材で設えたキッチンとダイニングセットが統一感を増し、生活の背景を作り出しています。片持ち階段を上がると踊り場のような場所に辿り着きます。ちょうどキッチンの後ろですね。同じく ハイサイドライトを設置し、様々な方向に視線が抜け異なる風景が楽しめる明るく開放的な空間です。
2階は階段の吹抜けに面した位置に 多目的に使えるカウンターを設置。目の前の窓から視線が抜ける開放感と下階と緩やかに繋がる連続性が感じられる設計が印象的です。造り付けの収納もたっぷり確保。1階とは打って変わって天井は低めに設定。安心感を感じさせてくれるプライベートな空間です。
テラスやウッドデッキのアウトドア空間など外の環境を感じられる様々なスタイルの屋外空間を取り入れたこの住宅はサンルームも設けてあります。バルコニーとはまたひと味違ったプライベート性の強い半屋外空間は、室内に広がりをもたらします。冬の時期でも暖かい陽の光を取り入れることができるのが嬉しいですよね。決して大きくはないスペースですが、日々の生活を何倍にも彩るサンルーム、是非取り入れてみてはいかがでしょう。