階段のデザインは直階段や踊り場があるパターン以外にもいくつかあります。実はお家の印象を左右するのに階段はとても重要です。階段の選び方ひとつで暮らしやすさに大きな影響を与えると言っても過言ではありません。何となく脇役と取られがちな〝階段のデザイン〟に今日は焦点を当ててみましたので、階段の種類などから確認をしていきましょう。
パッと目を引く木の階段は、大きな中庭(テラス・ウッドデッキ)と日当りの良いサンルームから2階の書斎までをナチュラルに繋いでくれています。ウッディな香りと温もりをお部屋いっぱいに感じる事が出来るこちらのお宅は、名古屋市在住の建築家神永設計が手掛けました。全面積83.33 ㎡ とは思えぬほど広く確保したLDKも魅力的。空間にスッキリと溶け込む階段造りは、絶妙なサイズ感と素材選びが成すもの、是非参考にしたいデザインです。
玄関から入り、大容量の収納棚前を通るとダイニングがあります。リビングとDKを隔て、2階の寝室へと動線の流れがスムーズになるようにスッと伸びた直階段。無垢材から作ったフローリングと漆喰で塗った壁など、風を感じて森の中で深呼吸をしているようなそんな〝自然にあふれた家〟をコンセプトとされていますが、敢えてコントラストの強いマテリアルを階段部分にチョイスしているので、室内に居ながらにして何となくアウトドアな雰囲気があり、リゾート感があるのも納得します。室内暖炉などをプラスしても素敵です。
まるで船室の中にいる様なミニ螺旋階段がユニークな一室。スパイラルタイプは階段の中でも最も使用面積を要しません。特にDIMA SNC DI MAIOCCHI DARIO E C.が手掛けたこちらのお宅は、支柱1本を手摺としているので、更に最小限に抑える事が出来ます。狭小スペースに是非活用したい階段デザインが螺旋階段と言えると思います。ただ階段下に収納などを設置するのはもちろん難しくなりますので、吹き抜けに向けての空間の広がりや、階段に存在感を持たせたい場合に採用するべきデザインです。
箱階段とはボックスを積み重ねたような階段のことですが、側面から物入れとして利用できるようになっており、梯子の時代を得て、狭い町屋などで多く使われていたのは承知の事と思います。リノベ-ション会社のRENOCRAFTが提案した明るく開放的なこちらのお家には、小さなハコには写真やCDといったピッタリと収まる小物が、大きなハコにはTVや雑誌といったまるで持ち物に合わせて収納階段を作ったかの様にキッチリと全ての物が整理整頓されています。清潔感のある落ち着いた図書館のような仕上がりになっています。
何とこちら階段なんです!一見するとおしゃれなオブジェか、壁面ラックかな?と思いますよね。オランダのデザイナー、STUDIO MIEKE MEIJERが設計したこのフレームは、驚く程に多機能です。テーブルにして階段下をワークスペースとして確保したり、本棚へと変身させたりと、居住スペースやライフスタイルに合わせてモジュールを組み合わせれば、アレンジ多様。北欧デザインを思わせるモダンなフォルムもとってもおしゃれですね。