ミニマリスティックな白い家

Michiko JUTO Michiko JUTO
White Cave House, 山本卓郎建築設計事務所 山本卓郎建築設計事務所 モダンな 家
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思わずため息の出るような美しい造形が際立つ住まいを紹介します。このミニマリティックな住宅は東京に拠点を置く山本卓郎建築設計事務所が手がけたもので、多雨多雪地域である金沢に計画されました。そんな厳しい自然環境にも対応しうる彫刻のような真っ白な住まい、さっそく見ていきましょう。

ひと際目立つ彫刻のような外観

日本瓦の屋根の住宅が点在する古くからある住宅地に計画されたこの住宅はまるで別世界の建築と言っても大げさではないくらい異質な建物。そんな真っ白な外観とオブジェのような形態がひと際目立ちます。車用のアプローチから駐車スペースを初め外部空間の床は全てコンクリートで仕上げています。玄関ポーチを兼ねた屋根付きの2台分の駐車スペースはそのまま中庭へと続き、閉じた外観でありながらも内部の気配を感じさせる不思議なプランが印象的です。

開口が作り出す表情豊かなファサード

正面ファサードと打って変わってこちらのファサードには様々な開口を設置。道路に面しているのでプライバシーに配慮した形態や位置を採用しています。また開口は周囲の風景を切り取り室内に取り込む役割をするのでその位置や大きさは念入りに計画されているんです。緑の芝生や既存住宅に映える白い外壁の仕上げには日本人には馴染みのある漆喰を使っており、温かみのある色彩でクールになりがちなモダンな建築の表情を和らげています。

自然の取り入れ方もミニマリスティック

2階のテラスは薄く水を貼ることが可能。夏期にはこの水盤で涼を取ることもできる上、真っ白な壁面や対照的な真っ青な空と共にポエティックなシーンを作り出します。水や植物そして空といったプリミティブな自然の取り入れ方が素晴らしいですよね。打ち放しコンクリートの洗練された「自然を取り入れたミニマルで心地良い住宅」でも水盤を採用しています。是非ご覧ください。

インタラクティブな関係にある異なる外部空間

限られた予算や敷地を考慮しながら様々な要素の外部空間を最大限に作り出すために考えられたのがそれぞれの外部空間の面積を抑えつつクランクさせながら繋げることでお互いが補完する形で広がりを感じさせる外空間が生まれました。奥の駐車スペースは玄関ポーチも兼ねておりそのまま中庭へと続きます。そして2階のテラスとも緩やかに繋がる明るい庭空間が大きなガラス面を介して内部とも繋がります。

柔らかな光に包まれるLDK

床から天井までの大きなガラス板で中庭と仕切られた内部空間です。リビングとダイニングキッチンがひとつの空間にまとめられた無駄のないデザインが素敵ですよね。中庭に差し込む目映い日の光が壁面や床に反射して内部を柔らかく包み込んでくれます。

仕上げの丁寧さが伝わってくる洗練された空間

壁付けのコンクリート製のベンチ兼テレビ台はガラス板を貫通し中庭に突出することで内外を融合させています。室内も本漆喰で仕上げ、柔らかさを含んだ空間を演出。仕上げの丁寧さが伝わってくるような美しいディテールが魅力的な住まいですよね。こちらのでプロジェクトでは家具や照明も建築家が担当。コンクリートと塗り壁の無彩色な空間に温かみのある木製のコーヒ—テーブル等がよく映えます。

シュールなイメージが引き立つ真っ白な空間

コンパクトにまとまったオープンタイプのキッチンです。ワークトップをぐるっと立ち壁で囲み生活感を見せません。収納等も白で統一しているのですっきりとしたミニマルな空間に仕上がっています。こちらにも木製のダイニングテーブルを組み合わせ、空間にアクセントをつけています。スリット状の高窓からは隣家の日本瓦が望め、真っ白な非日常的とも言える住空間にシュールなイメージを作り出しています。

緊張感と柔軟さの狭間にある住宅

タイムレスかつ心の奥に響くデザインが際立つ隙のない建築によって緊張感を生み出しながらも自然をさりげなく取り込む柔軟さも感じられる白い洞窟のような徹底したミニマルな住宅、共感を覚える人も多いのではないでしょうか。是非皆さんの家づくりの参考にしてくださいね。

ストイックなまでに白い空間に思わず魅了されそうです。皆さんの感想も是非聞かせてください。

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