六本木に建つユニークな庫裡

Michiko JUTO Michiko JUTO
六本木の庫裡, abanba inc. abanba inc. モダンな 家 タイル
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本日ご紹介するプロジェクトは一般住宅とはちょっと違ったもので、その立地環境から周囲の街並みを意識したデザインを外観に取り入れた複層階からなる建物です。都市を形成する様々な要素に囲まれた東京の六本木のど真ん中にある敷地にABANBA INC.が手がけたユニークな建築、さっそく見ていきましょう。

街のコンテクストを意識した佇まい

六本木交差点の近くにお寺があります。そこの住職と副住職が住むための住宅として計画されたのがこの建物です。隣には本堂、 東京都指定の史跡、高層のホテルや雑居ビル等が建ち並ぶ東京特有の雑然とした場所にある敷地に建てられたのは周囲の街並みを意識した外観を持つ建物で方角によって異なる素材を採用しています。こちらは竹炭のルーバーを採用したファサードでお寺に対してさりげなく開かれた印象を与えています。

表情豊かな外壁

西側にはホテルが建っておりそのグレーのファサードと呼応するように採用されたのが瓦の形状をしたタイル。色を統一しながら独特な表情を生み出すことで周囲と調和しつつ主張のある外観を形成しています。1階と各階の開口部分にはクールな印象のグレーのタイルとは対照的な 焼杉を採用し、表情を和らげながら街並みに新しい表情を添えています。一般住宅にしろ公共建築にしろ与えられた立地条件を意識して既存の環境と折り合っていくためにはファサードの役割はとっても重要です。「持続可能でスタイリッシュな集合住宅「カントK」」も歴史的な背景を持つ周辺環境を踏まえながら設計されています。是非参考にしてみてくださいね。

異素材の組み合わせ方を参考にする

日の光で浮き上がる瓦状のタイルのパターンと焼杉の重厚な木目の表情がお寺の建築要素とうまく調和していますよね。庫裡として建てられたこの建物は1階を事務所などを含めたお寺に関する機能を、そして2階は住職、3、4階は副住職のための住居空間となっています。引き戸タイプの玄関ドアの仕上げを外壁材と揃えることですっきりとした印象を与えています。

ディテールに宿る美しさ

玄関を見てみましょう。控えめな段差で構成される三和土とホールです。落ち着いた色合いの木を使って丁寧に作られた収納や腰掛け、そして同系色でまとめた床材と天井と共に洗練された雰囲気を醸し出しています。小窓には繊細な作りが際立つ引き戸を設えています。

自然な配色でまとめた落ち着ける住空間

2階の住職のための生活空間も落ち着いた色調の主に木を使った内装で仕上げてあります。化粧天井には間接照明を設置し、夜間には雰囲気のある寛ぎの空間を演出。壁一面を利用した造作による収納や窓に沿って設えられた長めのソファによってすっきりとしていますよね。品のあるレトロな雰囲気のデザインが温かみを感じさせます。

マテリアルにこだわったキッチン

キッチンも重厚感のあるダークブラウンでまとめて落ち着いた雰囲気を出しています。天井にも同系色の木板を張り、あまり明るすぎない照明の効果にもお寺の影響があるのかもしれませんね。床と背面に採用したタイルをさりげなく統一していたりとユニークなアイデア、参考になりそうですよね。

密集地での光の取り入れ方

こちらは4階の副住職のためのLDKです。明るめの若々しさを感じさせる明るめのウッドフロアやセミオープンのキッチンなど住職のための生活空間とは異なるテイストで仕上げています。建て込んだ周囲の環境を配慮しつつバルコニーや光庭を設け大きな開口によって最大限に光を取り入れた明るい空間になっています。

マテリアルの使い方は参考になりそうなプロジェクトでしたね。皆さんの意見も是非聞かせてください!

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