スキップフロアが実現させたカフェのような白い家

K.Matsunaga K.Matsunaga
家族の家, 小野里信建築アトリエ 小野里信建築アトリエ モダンな 家
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誰もが住まいを構える際には、理想を思い浮かべることでしょう。しかし昨今の住宅事情の中で、理想の土地と、理想の家を同時に手にすることはなかなか難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。限られた土地に、アイデアと遊び心を加えながら最大限の理想を実現することができれば、家にいる時間が格別のひとときとなるに違いありません。今回ご紹介するのは、コンパクトな敷地に中庭を含むカフェのような居心地の良さを実現させたモダンな住宅です。近年全国から注目されるほどのお洒落なカフェや喫茶店が急増中の栃木県で「家族の家 own house」と名付けられたこの家は、小野里信建築アトリエが手がけました。

宙に浮かぶ白い箱

まるで白い箱が宙に浮いているようなファサードが印象的な外観。潔いくらいの白が通りから見ると目を引く存在となってこの家を見ることができるでしょう。この家は箱を3つ組み合わせたようなシンプルな構成です。しかし、塀のコンクリート、奥には全面ガラスの本体、そして宙に浮いた白い箱と素材もリズムも違う魅せ方をすることで、一見住宅ではなく、カフェや店舗ではないかと思うほど洗練された印象を与えます。そして大きな緑が見えることでガラスの面をカモフラージュし、この家の興味をますます惹くポイントとなっています。

スキップフロアが生み出す空間の妙

家の内部は空間ごとにスキップフロアを上手に活用し、高低差があることで視覚に変化が生まれています。間仕切りは少ないものの、それぞれ目線の高さの違いからはっきりと空間ごとの役割を感じることができ、そのときの気分によって居心地の良い場所を探しながらくつろぐことができるでしょう。またそれぞれの場所にいながらも、遮るものがないためいつも身近に家族の存在を感じることができ、閉じこもって隔離されてしまうということがありません。大きな窓を開け放つと、中庭がリビングとダイニングをつなぐ役割を果たし、全体が一つの空間になったような広がりを感じることができます。また庭自体が塀で囲まれているため外部からの目線を気にすることもありません。

全面ガラスで景色が暮らしの一部になる吹き抜け

コンクリートの壁が印象的な、一段下がったモダンなリビングは低めの天井で落ち着きを与え、ほんの少し地面から目線を下げていることもよりリラックスして腰を落ち着けることができる効果が生まれています。しかし、天井と接する部分には窓が設けられていることで視線と光の抜けがあり、けっして閉塞感を与えません。一方、ダイニングスペースは高い吹き抜けと全面の透明ガラス窓がダイナミックに目に飛び込み、外の景色をそのまま室内に取り込んだような明るく開放的なスペースが広がります。青空を眺めながら、また庭の四季を感じながら、カフェにいるように飽きさせることなくこの暮らしを彩ってくれることでしょう。

大開口の窓が実現する開放感

このように、リビング側とダイニング側に設けられた窓は、連続したL字の大開口として室内と中庭をつなぎます。遮るものが柱しかなく、限られたスペースの中にある室内空間は中庭と一体になることで、ため息がでるような広々とした空間を臨むことができます。また、リビングは木材のフローリング、ダイニングはタイルと床の素材を変えることで、レベルに合わせた一体感が生まれる配慮もなされています。全体が白とグレー、アイアンの黒というクールな色味の中に、庭のグリーンや建具で優しい色合いのウッドカラーをプラスしていることが安らぎを感じる要素となっています。全面がガラスという開放的な外観を確保するためには、周辺環境や外部の目線をしばしば気にすることとなりますが、外観の一部となっている塀が見事にその悩みを解決しています。敷地面積は40坪あまりとコンパクトではありますが、ここまでの空間を実現することができたのはまさに建築家のアイデアと知恵から生まれたものだと言えます。

明るい光があふれる多目的スペース

2階スペースには、広く取られたカウンターと、たっぷり収納が確保された多目的スペースがあります。大人が3人座ってもゆとりがあるほどのこのスペースは吹き抜けと空間を共にし、家族が1階と2階にそれぞれいたとしても気配を感じながら過ごすことができます。天井には明かり窓が設けられ、正面からだけでなく上からも柔らかい光がこのスペースを優しく包みます。宿題をするとき、パソコンなどの作業をするとき、空を眺めながらのんびりしたいとき、開放感を得ながらこのスペースを使うことができ、家にいながらにしてまるでカフェのような居心地の良さを感じることができるでしょう。

【スキップフロアについては、こちらの記事でも紹介しています】

※ スキップフロアの知っておきたいメリット・デメリットまとめ 

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