閉じながら街とつながる家

Michiko JUTO Michiko JUTO
en, 岡村泰之建築設計事務所 岡村泰之建築設計事務所 モダンな 家
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外階段と内階段で構成されるユニークな住宅です。密集した住宅地に計画された延べ床面積60㎡ちょっとといったコンパクトな住まいですが、生活空間の延長としてテラスを設けることで広がりが感じられます。手がけたのは岡村泰之建築設計事務所。閉じながらも街とつながる住まい、さっそく見てみましょう。

目隠し壁が生む様々な効果

都内の密集した住宅地の角地にある当敷地は東西に細長い変形タイプで面積も限られています。こういった立地ではいかにプライバシーを保ちながら広がりのある住空間を作るかが課題になってきますね。通りに向って設けられた目隠しのための壁がアクセントとなった外観は、程よく閉じながら同時に開かれたデザインで街並みとの繫がりを意識しています。中央辺りに見える螺旋階段は2階に配置された玄関へと続きます。

外部とダイレクトに繋がるユニークな空間

こちらは1階の予備室。掃き出し窓を開けるとダイレクトに通りと繋がるのがユニークですよね。どこか懐かしい親しみを感じる街とのかかわり合いが体験できそうです。1階にはこの他子ども部屋や水廻り空間、そして地下には寝室や書斎を設けた構成となっています。「狭小地に建てられたユニークな形態の家」でも街に対してあえて閉じず独特な関係性を作り出すデザインを採用しています。是非ご覧ください。

木の螺旋階段

こちらは家の中のもう一つの螺旋階段です。温もりを感じさせる木の質感や柔らかな色合いの壁が心地良い内部空間を演出。プライバシーに配慮しつつ採光と換気を確保できる開口を階段周りに設け、開放感を添えています。この螺旋階段によって家全体が繋がります。

造作家具で空間を緩やかに仕切る

メインの生活空間は2階に配置。真ん中の収納を兼ねた仕切りの左側は外階段からアプローチする玄関です。機能的なエレメントによって限られた空間をより広く使うための賢いアイデアですね。仕切りを介して配置したリビングスペースには畳を利用。床に座るという行為によって目線は下がりさらに空間の広がりを感じられます。

開放感とプライバシーを同時に感じられるデザイン

リビングの開口を開けると外の螺旋階段と玄関が見え、ありそうでない間取りですよね。密集した住宅地ですが建物に外皮(目隠し壁)をもう一枚設けることで視線をあまり気にせず室内空間をオープンにすることが可能になり、外の景色や光、風を取り入れながら解放感を感じられる住まいです。奥はコンパクトにまとめたキッチンとダイニングエリアです。

広がりをもたらすテラス

掘りごたつタイプのテーブルを設えたタタミ敷きの団らんの場はホッコリ感を与えてくれます。そんなリビングに隣接してウッドデッキで仕上げたテラスを配置し、くつろぎの空間の延長として外部生活の一部に取り入れ広さを感じさせるプランを採用。目隠し壁の隙間から見え隠れする周囲の環境とさりげない対話が生まれ、街と緩やかに繋がるデザインは都市住宅にありがちな閉じた空間に開放性をもたらしています。

テラスが住空間の一部となった広がりを感じさせる住まい、いかがでしたか?皆さんの意見を聞かせてください。

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