テラスやバルコニー、縁側などといった内と外をつなぐ半屋外の空間は日常生活の中で気軽に自然と触れ合うことができる場所です。リノベーションによって部屋の一角をルームテラスとしたり、庭と建物をつなぐ空間を作ったりと、住居と住み手に合わせて様々なスタイルで半屋外空間を楽しむ人が増えています。日本と海外の事例から四軒ご紹介します。
こちらは東京都足立区にある半世紀を経た花畑団地のボックス型住棟。都市再生機構が保有する約76万個の団地風景を再編するという大きなプロジェクトのうちのひとつとして改修されました。大きなポイントとなったのが既存のスチールサッシを木製サッシへと取り替えたこと、いくつかの部屋はサッシを取り除いたままのルームテラスとしたこと。テラスでありながら室内のような、部屋でありながらテラスのような… その曖昧さが大きな開口部からの風や自然の匂いを感じることのできるテラスの開放感と、適度に閉じられた心地良さが同居する心地良い空間を作りました。
1950年代に開発された住宅地における平屋から二階建てへのリノベーションを行った住宅。敷地を二分した南に庭を配置し、その庭と居住空間をロッジアと呼ぶ屋根付き半屋外空間でつなげています。庭には以前からあったものを含む20種類の樹木と花々を植え、野菜畑も併設されました。境界の壁は低く抑えられ、人が集まった際にはロッジアと庭を自由に行き来しての交流が可能。庭で摘んだ花を花瓶に活け、収穫した自家製野菜をふるまう、一種最高のおもてなしです。ロッジアは太陽光や影、植物の香り、やって来る鳥や小動物など常に変化する外部の環境を取り込み、そこに佇む人に生を取り巻く多彩な瞬間を意識させます。
こちらはイタリア・メッシーナの古いロフトをリノベーションした物件。もともとバルコニーが部屋をぐるりと囲んでいましたが更に部屋の一角の壁を取り去りルームテラスとして改装しました。床に垂れるほどたっぷりとしたドレープカーテンを設置すればリゾート地のホテルのような雰囲気に。キャンドルでライトアップすればロマンチックな時間を過ごすことができます。カーテンはプライバシーの確保や風よけに、またウォータープルーフタイプのものならテラスに置いた家具を風雨から守ることも可能です。
あまり広くはないテラスですが充実した空間となっているのはサイズ選びと配置の巧さによるもの。テーブルセットは最も無駄の無い長方形+正方形の組み合わせで、圧迫感の少ない格子デザインをチョイス。椅子と椅子の角によってできるスペースに植木鉢を置きます。隣家からの目隠しには壁の色に近い明るい色の木材を使用したすのこ状のパネルを設置。こじんまりとした居心地の良いアウトサイドリビングの完成です。
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