大正時代から残る長屋が店舗用の空間へと大変身!

K.Matsunaga K.Matsunaga
長屋コンバージョン店舗, 株式会社 藤本高志建築設計事務所: 株式会社 藤本高志建築設計事務所が手掛けたアジア人です。,和風
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現在も全国各地に残る長屋。現代の建物にはない、日本らしさが残る風情のある佇まいはなんとも言えない味わいがあります。しかし日本では耐震性や居住性の質を高めるためにたびたび建築基準法が改正され、建物を継承していくためには高いハードルがあることも事実です。保存を諦められた物件も多々ある中、昔から残る長屋は貴重な存在として受け継がれています。今回ご紹介するのは、藤本高志建築設計事務所が手がけた、大阪市の路地奥に残る長屋のリノベーションプロジェクトです。大正時代から残る住居として使われていたこの長屋が賃貸店舗として息を吹き返しました。

Before:改装前の外観

3軒長屋のうちの中央が今回のプロジェクトの中心です。以前は住居として使われており、かなり痛みが目立つ状態でした。

After:もとの佇まいを生かした姿に

趣ある佇まいをそのままに、傷んでいる箇所を修復した外観。痛みが激しい建具はオリジナルのデザインを生かし、機能性を高めて作り変えを行いました。デザインや素材など、古いものと新しいものを融合させ価値を高めるためには建築家のセンスや判断力が欠かせません。一から建築する新築とは違い、リノベーションは元の物件の良さをいかに残しながら創造する面白さが魅力です。今回のプロジェクトにおいても、大正時代から残るデザインコンセプトを壊さずに味わいを残した工夫が随所に見られます。

Before:痛みの激しく暗い室内

古い物件のため段差が大きく、長屋の作りから内部は薄暗さの目立つ環境です。年々重なる痛みにより住宅としては難がある状態でした。

After:改装後の内装

店舗として使えるよう、全体を一つのフロアとして改装されました。すっきりとした土間空間に、以前から残る柱や梁の風情が味わいをぐっと深め、雰囲気のある空気感がたまりません。欄間もできる限り以前のまま残すように手が加えられ、目立たないよう補強も加えられました。機能性を高め、見た目だけでなくより長く使えるように配慮がなされています。余分な間仕切りなどは取り払われ、階段の見えるオープンな雰囲気となりました。少々急だった階段は、全体のデザインを壊さないよう上り下りがしやすい勾配にも修繕されました。

After:趣を生かした玄関

玄関は痛みの激しかった扉を同じデザインで作り変え、建築家の提案によってより軽く開閉ができる工夫も施されています。空間のアクセントにもなっている軒や下屋根は、以前外部だった場所の名残であり、井戸屋根としてかつては使われていたものでした。井戸は現在使われていませんが、存在感と風情は空間の立派なインテリアとして彩りを添えています。空間の演出も大切な要素となる店舗の物件にはおあつらえ向きの和モダンな空間は、入った瞬間からまるで時を超えたかのような雰囲気を味わうことができるでしょう。

After:座敷から洋間に変身した2階

以前は畳の座敷2間だった部屋は、杉板のフローリングが心地よい洋間へと変更されています。落ち着いたダークブラウンのカラーに白い壁が映え、コントラストの美しい空間となりました。階段横の壁面は腰壁とし、階下に光をもたらすとともに、いびつなごつごつとした柱がより空間にアクセントを加えています。かつては階段側に床が設けられていましたが、階段の勾配を調整するために減築がなされ、すっきりと空間を使えるようにも工夫されています。

【リノベーションについては、こちらの記事でも紹介しています】

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