住まいが人生の入れ物であるということは、同じ家に住んでいても家族が増えたり仕事が変わったりするうち、身の回りのものも増えていきますよね。でも収納スペースは限られてるし、散らかりっぱなしにもできない… そんな私たちのために「壁面収納」のアイデアです。
まずは簡単なことから始めていけばよいわけです。
収納を増やす最もシンプルな方法、フックを増設してみましょう。家やインテリアにこだわってる方なら、当然身の回りのものにもこだわりを持ってるはず。コート、バッグ、ハット… さっきまでファッションアイテムだったものも、壁に掛ければインテリアです。
フックにはちょっと限度が… でもまだまだ打つ手はあります。格安でいくらでも増設できる突っ張り棒を活用してみましょう。デッドスペースを丸ごと隠すカーテンレールとして、中をすべて収納にする。複数本設置して上に箱モノをしまう。S字フックでこれもまたいろんなモノを引っ掛けてディスプレイしてみる… シンプルゆえにいろんなアイデアで使えそうです。滑り落ちるのが心配な方は突っ張り棒と壁の間に滑り止めマットを小さく切って挟んでおくといいでしょう。
壁にも収納を追加しましょう。ただしボードアンカーもインパクトドライバーも必要ありません。壁も傷つけたくないですしね。ホームセンターに行けば「石膏ボード用固定金具セット」というものが売っています。その金具をホッチキスで留め(ホッチキスは180°に開く物を選ぶ)、壁に増設したい木箱や小型シェルフの側にはフック状の金具をビス留めします。それをサクッと差し込むだけで設置完了です。ただし耐荷重はあまり大きくないので乗せる物には気をつけましょう。
次はバスルームへ。一人暮らしだとあまり散らからないエリアではありますが、床にいろんな物を置いとくとカビの原因になりますし、ここでも壁に引っ掛けるスペースがあるといいですよね。もしバスルームがユニットバスなら壁面は吸盤のつきにくいざらざらした素材になってるかもしれませんね。でも大丈夫です。ホームセンターなどには吸盤の下地になる「吸盤補助シール」なる物も用意されています。またはドアのガラス、鏡などにも設置できるかもしれません。
ベッド回りも散らかりがちですよね。眼鏡に腕時計、スマホも多くの人が枕元で充電しています。それを察してか、最近は家電量販店でもベッドのヘッドボード(頭側)に細かな収納スペースやコンセントがついてる物も多くラインナップされています。そんなのついてないし買い換える予定もない!という方も簡単に壁面収納を増やせます。
ホームセンターなどにいくと「ウォールシェルフ」とか「壁掛け飾り棚」なんて名前で簡単に壁に取り付けられる10-15cm幅くらいの小物や小さめのライトを奥には最適の壁面収納アイテムが用意されています。L字や内角用、ボックス型、階段状など形状も素材も様々です。とはいえ就寝時の頭側には地震に備えて重い物や割れ物などを置かないようにしましょう。
ブラウン管なんて今の子供たちは知らないんでしょうね… テレビが一般家庭に普及して後、何十年もたってテレビは薄いのが当然になりましたが家の中でのその圧倒的存在感に代わりはありません。住まいの中心に置きたいけど、ちょっと邪魔。テレビもついでに壁に掛けましょう。ただしやっぱりホッチキスでは留まりません。
業者を呼ぶほどではありませんが、専用器具を購入の上、下地(木造住宅なら間柱や柱、木造以外なら軽天といわれる金属製の下地)を探してしっかりビス留めする必要があります(軽天には「軽天ビス」が望ましい)。昔の人なら「柱も間柱も455mm間隔で設置されてるはずだから計算すればわかる!」とおっしゃるかもしれませんが、今はメーターモジュールで建てられた家もあるんです。ここは慎重に下地センサーか、細いピンを刺しながら探すシンプルな道具もありますのでそれらで確実に探しましょう。レベルで水平を取るのもお忘れなく。
気に入る物がなかなか無いのも、気に入った物がタイプミスかと思うほど高額なのも、世の常です。ここは一つ「Do It Yourself!」=DIYで決着しましょう。パンチングボードの穴に太めのゴム紐を通すだけでいろんな物を挟んだり引っ掛けたり出来る収納になります。インターネットやホームセンター、ひいては森の中にまでDIYのアイデアは散らばっています。ものづくりは眠っていた感覚を呼び覚ますものです。最初はたどたどしかった手つきも徐々に堂に入った物になり、頭は閃きとアイデアで満ち、いつの間にか近所の人からミース・ファン・デル・ローエの再来、なんて呼ばれるようになる日が来るかもしれません。