薪ストーブと土間空間のある家

自然の風景もまだ残るのどかな住宅街にある敷地に建てられた住宅です。道路側のファサードは閉じたデザインですが、暖かみのあるグレーの外壁に木製ルーバーとスリット窓で表情を加えています。隣地との境界に設けた打ち放しコンクリートの壁による玄関アプローチの演出と共に、モダンな佇まいを見せています。

庭側のファサードを見てみましょう。 こちらは程よく開口を設け、木板を張った外壁によって親しみやすい印象を醸し出した佇まいです。薪ストーブ用にたくさん積まれた薪が、お洒落に見えますよね。道路側のアプローチから直接入る玄関の他に庭へと出られるドアも設けた機能的なプランを採用。ポーチの上の深い庇にはルーバーを嵌め込み、採光を取り入れています。家庭菜園をしたり子どもが元気に走り回ったり、薪を積んだりとアクティブに使えそうな庭空間です。

道路側からコンクリート壁伝いに進むとゆったりとしたポーチが現れます。こちらにも薪を積んで、いつでも使えるようにしてあります。コンクリートという無機質な素材と有機的な薪という素材がスタイリッシュなエントランス空間を演出。天井まである木製の玄関ドアにFIX窓を組み合わせた洗練された雰囲気が素敵ですよね。奥には庭へと通じるドアとやはりFIX窓を配置し、視線が抜ける気持ちの良いエントランスです。

右手に見えるのが玄関ホールですね。コンクリートの境界壁がそのまま室内を貫通し、内外が融合したデザインが目を引きます。そのまま土間空間が室内まで広がり、この家の中心とも言えるダイニングキッチンを形成。吹抜けの空間は庭に面した開口や大きめの高窓から入り込む光で明るく、開放感がありますね。そしてこの住まいの主役とも言える薪ストーブが室内を暖かく演出してくれています。「土間空間のある小さくて上質な家」でも土間空間と薪ストーブを取り入れています。是非ご覧ください。

玄関ホールから見るとこんな感じ。対面式のキッチンが家族同士のコミュニケーションを楽しいものにしてくれ、庭を眺めながら作業できるのも嬉しいですよね。ラスティックな雰囲気がぐっと増す土間空間、カフェみたいにお洒落です。上部に向って変化に富んだ空間構成が奥行きや広がりをもたらします。ほとんどオープンなプランなので空間がお互いに繋がり、どこにいても家族の気配を感じられる伸びやかな住まいです。キッチンの奥は一段上がったウッドフロアで仕上げたくつろぎの間。躙り窓のような低めの開口は庭へと通じています。

２階は開放的なリビング。吹抜けによって下階と繋がりながらも床面に設けた段差などによってゆるやかな領域が作られています。自然の色合いが美しい梁や柱と左官仕上げの塗り壁にしっくりと馴染み、暖かみのある空間を演出。様々な方向に設けられた開口によって視線が抜け、開放感は一層増しますね。

２階のさらに上部にもハイサイドライトを採用し、自然光をふんだんに取り入れています。こちらは眺めの良いワークスペース。下階の様子や上階のリビング、庭の様子も感じられる特等席ですね。ナチュラルな素材と軽やかなモダンな素材が織り成す心地良い住空間、是非参考にしてみてください。

【土間については、こちらの記事でも紹介しています】

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