ゾーニングとは?間取りの前に考えておきたい住まいづくり

Takashi Sasaki Takashi Sasaki
被衣の家 Shawl House, y+M design office y+M design office オリジナルな 家
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ゾーニングという言葉を住まいづくりを始めていく間に聞くことがあると思います。それは、家や庭などを含めた敷地の全体的なことと同時に、間取りへと考えを進めていった時の最後の細かな部分にも大きく影響してくる非常に重要なことでもあります。そこで今回は、ゾーニングとはそもそも何なのか、そして、それをどのような考えを持って進めていくべきなのかを紹介していきたいと思います。家族の暮らしを実際にイメージしながら、自分の家族が快適に過ごしていける住まいにしていきましょう。

ゾーニングとは

ゾーニングとは、機能や性格別などでそれぞれの部屋や屋外スペースをグループ化して、それらのグループの大まかな大きさや位置関係を考え、決めていく、設計方法の1つです。例えば、リビングやダイニングといったパブリックスペースと、寝室や子供部屋のようなプライベートスペースに分けたり、あるいは、こちらのように、駐車場や中庭といった屋外スペースと、リビングがある生活棟、そして茶室の別棟といったように分類して、それぞれの家族にあった住まいづくりを進めていくことができます。

写真:笹倉洋平/笹の倉舎

周辺環境と敷地の関係から

家の中をゾーニングしていく前に、多くの場合、まず家が建つことになる敷地全体について考えていきます。隣家や道路などの周辺環境から建物の大まかな位置を決めたり、庭の大きさや位置、そしてアプローチや玄関の場所も考えていくことになります。こちらのFAD建築事務所が手掛けたカフェ付きの住まいでは、カフェ部分が地域のコミュニケーションの場となるように、カフェと庭が隣り合い、外へと開いていくような空間が考えられ、生み出されています。

水平方向のゾーニング

敷地全体を考えていく時でも、建物の中を考えていく時でも、水平方向の関係性の中でのゾーニングは非常に重要になります。身体的にも視覚的にも直接異なる種類の空間が並ぶため、実際にそこでの暮らしをイメージしながら進めていくことが大切になるでしょう。こちらの住まいでは、「仕事場」と「住まい」と「アトリエ」に分けて、プライベートと仕事をしっかりと切り替えられる距離感であったり、住まいにいる子どもたちにも目が行き届く距離感であったりと、それぞれの生活スタイルにあった距離感が保たれています。

垂直方向のゾーニング

複数階の住宅であれば、垂直方向のゾーニングも考えていく必要があります。階段の場所であったり、日当たりの良さなどを考慮しながら、上下の階の関係性をつくり上げていきましょう。例えば、3階建ての住まいであれば、日当たりの良い最上階にリビングやダイニングなどのパブリックスペースを配置したり、こちらのように、吹き抜け空間を設ければ、そこを中心にしてプライベートスペースを配置することで、家族団欒の住まいのかたちへとつながっていきます。吹き抜け空間については、「露天風呂付き!リビングに大きな吹き抜けのある快適な住まい」でも紹介しています。

ゾーン同士のつながり

以前のゾーニングや間取りのスタイルであれば、きっちりと台所やダイニング、リビングの部屋が壁などで仕切られるなどして分かれていました。しかし、現在の住宅スタイルの中では、どちらかというと壁のない開放的な空間となっていきます。そうした時に、ゾーン同士の境目が非常に曖昧になってくることもあるでしょう。あまりきっちりとゾーニングを考え込まずに、間取りの前段階の大まかな配置計画として考えていってもいいかもしれません。

将来も含めた長期的な視点で

間取りと同様に、将来も含めた長期的な視点で考えていくことも重要です。こちらの住まいでは、将来的に子世帯が移り住むことを考えて、大屋根の下に床を増設できるように計画しています。ゾーニングはあくまでプランニングを考えていく中での1つの手段です。ゾーニングをしてから、細かく間取り決めるだけでなく、間取りを考えながら、ゾーニングを同時に考えていくこともできるでしょう。色々な方法やアイデアでもって、家族にとって住みやすい家にしてみて下さい!

写真:Yuki Chida

色々なアイデアと一緒にゾーニングも考えてみて下さい!コメントをお待ちしています!

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