浮遊する屋根、内と外で全く違う顔を見せる住宅… SI house

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ギャップがあるということは人間を時に魅力的に見せます。では建築の場合はどうでしょうか?ギャップは魅力になり得るのかそれとも… ?TNDESIGN一級建築士事務所によって長野県に建てられたSI-houseは「内と外で全く違う顔」を持っているといいます。それだけでも興味が湧きますが、こちらの住宅の屋根は”浮遊”しているそう。一体どういうことなのでしょうか?さっそくご紹介します!

周囲のスケールをおもんぱかってできた外観

コンクリートの外壁というのはとても存在感があり、時に周囲に圧迫感や冷たい印象を与えてしまいます。敷地回りの木造住宅が並ぶスケールから逸脱しないような外壁にするために、建築家は住居全体の高さを抑え、その分天井高さを確保するために床レベルを地面より下げることとしました。玄関へは階段ではなくスロープで自然と導いています。玄関のパネルと庇はコルテン鋼を使用。

稜線から得たインスピレーション

場所は埋蔵文化財の区域に指定されている小高い丘の斜面にある敷地で、前方には美しい南アルプスが広がっています。とても印象的なその山々の稜線に沿って、屋根を浮遊させるアイデアが自然と浮かんだそう。まさに自然はインスピレーションの源。そしてこちらの写真がその浮遊する屋根です。屋根というよりもそれは風になびく薄い天幕のよう。その上に広がる大きな青い空と流れる雲に同化して、人工物という違和感はもはやありません。

内側は全く違う顔

室内は、外観からは想像できない程の光を取り込む明るく開放的な空間となっています。開口部が少なく重厚感のある外観とは正反対ともいえる印象です。中庭にはコルテン鋼によるオレンジ色の水盤とシンボルツリーがあり、自然の揺らめきや変化を室内へと伝えてくれます。

無駄の無い空間には無駄の無い家具を

この住宅のためにデザインされたという全ての家具(ダイニングチェアを除く)は、素材を黒皮スチールを基本とし、シャープさを優先したデザインでとてもスタイリッシュ。無駄の無い空間に馴染むのはこのような研ぎすまされたミニマルな家具たち。ダイニングテーブルの天板も「墨絵のように美しい状態のもの」をと選別されたものを使用しているそう。こんな部屋では思考もシャープに働きそう。

近未来的な顔も見せる

水回りは床も壁も天井も全て同一のFRP素材によってくるまれています。FRP素材とは繊維強化プラスチックのことで、これはプラスチックの中にガラス繊維などを入れて強度をアップさせたもの。軽量で腐食しにくい、保温性が高いなどの利点があります。質感もシームレスでまるで昔思い描いた近未来の住居のようでもある?

茶室の精神を以て

ゲストルームはガラスの廊下で接続された先にあり、畳を敷いた和室となっています。それはまるで茶室のように無駄を排除した極小空間で、日本の伝統的なミニマリズムが体感できるお部屋となっています。

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