防錆で安全で快適な住まいに!錆びない家にする方法まとめ

Takashi Sasaki Takashi Sasaki
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防錆は、雨が多く海に囲まれた日本の建物では特に欠かせないことの1つです。鉄骨造であれば、家の耐久性に関わってきますし、木造住宅でも屋根であったり門扉・手すりなどに鉄が使われることもあり、その部分が錆びてしまうと住まいの見た目も大きく損なうことになってしまいます。そこで今回は、防錆について知っておきたいことを紹介していきたいと思います。

防錆が必要な理由

防錆をしなければならない理由は、そもそもどうしてなのでしょうか。錆対策を何もしていない鉄は、空気や水に触れることによって、自然と錆が発生し、鉄を次第に腐食していきます。そうなってくると見た目が損なわれるだけでなく、鉄の強度が大きく落ちてしまい、家の耐久性や耐震性に影響してきます。また、錆は海水によって錆びる進行速度が速まるため、海の近くに家を建てる場合は特にそうした塩害に対して知識や経験の豊富な専門家に頼んでいきましょう。

写真:Hiroshi Ueda

防錆処理

まず鉄を錆びさせない対策としては、亜鉛などで鉄の表面をメッキ処理する方法が挙げられます。メッキを施すことにより、防錆性が向上するだけでなく、デザイン性や耐摩耗性も付加させることができます。こちらの土居建築工房が手掛けた住まいでは、鉄骨部分などが亜鉛メッキ処理されながら、過去に台風時の高波による床下浸水にあった経験から、建物全体を地面から浮かせて、錆にも水にも強い家に計画されています。

雨漏れを防ぐ

防錆処理がされていても、雨漏りによって鉄骨などが水に晒されることも同時に防いでいきましょう。窓や屋根をデザインから雨漏りのしにくい形にしたり、シーリング材を耐久性の優れたものを用いるなどしていきましょう。こちらの住まいでは、毎年のように訪れる台風に備えて、大きなガラス部分にスチールの角パイプを用いることでサッシの変形を抑え、大きな窓の耐久性を向上させながら窓からの雨漏りを防いでいます。

結露対策

結露対策で鉄が水に触れないようにすることも大切になります。結露は壁の内部でも発生する可能性があるため、壁の中にある鉄骨でも錆びてしまうことがあります。そのため、結露が起こらないようにすることも防錆の1つのポイントです。壁の中で結露してしまう内部結露を防ぐには、外壁通気工法と防湿シートを組み合わせる方法と、近年採用する建物が増えている外断熱工法があるので、それぞれの住まいに適した工法を取り入れてみて下さい。

鉄筋コンクリートの防錆

鉄筋コンクリートは内部にある鉄筋によって、その強度が強化されていますが、コンクリート内部にある鉄筋も錆びてしまうことがあります。通常コンクリート内部は高いアルカリ性のため、鉄筋表面には不動態被膜が形成され錆を防いでいます。しかし、コンクリートが空気と触れる中で次第にアルカリ性から中性へと変化していきます。そうなってしまうと、錆を防いでいた不動態被膜が失われ錆が発生し、またその錆が鉄筋を膨張させ、コンクリートにひび割れやそこからの水の浸入へとつながっていきます。鉄骨造ではないからといって安心することなく、鉄筋コンクリート造でもメンテナンスをしながら防錆をしっかりと考えていきましょう。

錆で錆から守るコールテン鋼

コールテン鋼という鉄の素材をご存知でしょうか?これは、予め銅やニッケルなどで鉄の表面に緻密な保護性錆を形成して、本体となる内側の鉄が空気や水に触れ錆びてしまうことを防いでいる鉄になります。年々その研究・開発が積み重なり、適切なメンテナンスや環境下ではその耐用年数は200年以上とも想定されています。色味も年々深まっていき、独特のデザイン性の変化を楽しめる素材でもあります。コールテン鋼については、「錆びがカッコイイ!コールテン鋼の魅力とは?」でも詳しく紹介しているので参考にしてみて下さい。

写真:Yoshiharu Matsumura

いつまでも錆びない、きれいで強くあり続ける住まいにしていきましょう!コメントをお待ちしています!

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