小さいキッチンの10の工夫

Manami Sakaguchi Manami Sakaguchi
レトロモダンな戸建てリノベーション, 安井正/クラフトサイエンス 安井正/クラフトサイエンス ラスティックデザインの キッチン
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まだ冷蔵庫がなかった時代、食材が腐らないようにあまり日が差さない北側に位置し奥まった場所にあり、主婦が忙しそうに行き来している場所を台所と呼ばれていました。しかし戦後、高度成長期をきっかけに料理を作る為だけの場所だったところが、家族が集まりともに楽しむ空間へと変化していきました。楽しみながら料理すること。それがキッチンの大切な要素だと思います。それはキッチンの広さに関係なく得ることができる空間です。今回は小さなキッチンの中に詰め込まれた、楽しく料理する為の工夫を紹介したいと思います。

空間を繋ぐ

こちらは大阪府を拠点に活動するCOIL松村一輝建築設計事務所が手掛けた、建築面積およそ10坪の住宅にあるキッチンです。限られた空間をできる限り広く見せるために扉での仕切りは浴室とトイレのみとなっています。それ以外の仕切りはカーテンによるもので、状況に応じて柔らかく閉じたり開いたりと選択することができます。そんな空間にあるこちらのキッチンもキッチンという仕切りはなく、すぐ隣にデスクがあったりと他の空間へダイレクトに繋がっていることで狭さを感じず、同じ空間にいる家族と楽しく会話しながら料理をすることができるでしょう。

撮影:増田 好郎

こだわりのあるキッチン

こちらも建坪11坪の小さなおうちにある小さなキッチンです。京都を拠点に活動する池田デザイン室(一級建築士事務所)が手掛けました。小さいということは必ずしもデメリットなわけではありません。逆に小さい空間をどのようにして楽しむことができるかなど、(自分のこだわりを入れたり好きなもので飾ったり)楽しみ方はたくさんあります。こちらはオリジナルの造作キッチンを製作し、毎日の料理が楽しくなるようにキッチンパネルにこだわりっています。

兼用する

こちらはコテージのキッチンです。山梨県を拠点に活動するCOTTAGE STYLE(コテージスタイル)が手掛けました。わずか9坪弱のこちらのコテージ。生活の全ての機能が収められていますが窮屈感は感じずに暮らすことができるでしょう。なぜなら間取り、インテリアともにコンパクトに使いやすくまとまっているからです。その中のひとつであるこちらのキッチンは、暖房・調理兼用の薪ストーブがあったり本来はアイロン台兼用の折りたたみ式配膳台など、小さい空間でも暮らしやすいように工夫が施されています。

白い壁と開口部からの光と景色

こちらは東京を拠点に活動するNIJI ARCHITECTS/原田将史+谷口真依子が手掛けた、建坪が10坪という都内市街地の狭小地に建つ2住戸3階建ての賃貸長屋となっています。界壁を斜めに配置することによって空間に広がりを与え、高い天井高と相まって小さい空間と感じさせない内部空間となっています。そんな工夫が施されたこちらのキッチンも小さいですが、白い壁と大きな開口部から差し込む光と景色が狭さを感じさせないでしょう。

見せる収納

こちらは京都を拠点に活動する安井正/クラフトサイエンスが手掛けた住宅のキッチンの一部分です。小さなキッチンでは収納をどうするかが問題となってきます。全てを収納できたらスッキリしていいのかもしれませんが、たくさん収納できる十分なスペースもない場合はこちらのように見せる収納もいいかもしれません。こちらはキッチンの既存のアルミサッシの窓の前にステンレスの細い丸いパイプを固定し、調理器具や調味料が楽しく並んでいます。窓からの逆光でシルエットが際立って美しいですね。

空間をコーディネートする

こちらはロシアのインテリアデザイナーEKATERINA DONDE DESIGNが手掛けた北欧風のキッチンです。キッチン自体に工夫しなくてもキッチンのまわりの空間を自分好みにコーディネートするだけで料理するのが格段に楽しくなると思います。こんなかわいい空間のキッチンがあったら素敵ですね。

すっきりとまとめる

こちらは神奈川県を拠点に活動する富田健太郎建築設計事務所が手掛けた住宅のキッチンです。背面全てが収納スペースになっているので、小さなキッチン空間でもすっきりとして使いやすくなっています。またこちらの住宅では日によって変わる空の表情を見ることができ、特に夕方から日の入りまでの時間に自然の芸術的な色の変化を時間と共に身体全体で感じることができます。それは料理してても感じることができるでしょう。

最小限の動き

こちらのカントリーあふれるキッチンはイギリスのPLANKBRIDGEが手掛けました。驚くことにこちらは家ではなく車輪のついた小さな小屋の中なのです。その小さな空間の中にあるこちらのかわいいキッチンは動きを最小限にするため、洗って切って焼くという一連の動作が行いやすくなっています。

カウンター兼収納

こちらは長野県を拠点に活動する株式会社山崎屋木工製作所CURATIONER事業部が手掛けたキッチンです。広く見えるキッチン。そう感じさせてくれるのは木のぬくもりあふれるカウンター兼収納棚だと思います。扉がなく空洞になっていることで空間に広がりを感じさせてくれます。

Photo:Shingyo Ozawa

空間に溶け込むキッチン

こちらは新潟県を拠点に活動する株式会社山口工務店が手掛けた住宅のキッチンです。造作キッチンを中心にしたこちらのキッチンスペースにはカウンター型収納や物入れからなるキッチン背面収納を機能的に配置されています。それは造り付け家具の特徴でもある空間に馴染む統一感ある意匠で室内に溶け込んでいます。造作キッチンも同じです。周りの空間に馴染ませることで狭さを感じることなく、統一感のある空間で楽しく料理ができることでしょう。

【キッチンについては、こちらの記事でも紹介しています】

対面式キッチンvs壁付きキッチン

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