今回ご紹介するのは、低コストにもかかわらず豊かな暮らしを可能にしたお洒落でモダンな住まいです。鉄骨3階建ての無機質でクールな雰囲気の外観と、構造材をインテリアにも上手に生かした明るくユニークな室内空間は、エコに配慮した構造にもなっており、この家に住んでいる家族をいつも幸せな空気で包んでくれます。この住宅を手掛けたのは、静岡県を拠点に活動する原空間工作所です。一体どんな様子になっているのでしょうか?さっそく詳しく見て行きましょう!
住まいには多くの開口部が設けられていますが、このように隣家が密接しているために、採光や通風に関してはできるだけ建物の上部から取り込むように工夫されています。また、2階の床部分をずらすことで生まれた1階外部の軒空間は、駐車スペースやその他フリースペースとなっており、空間を効率的に利用していることが分かりますね。
1階は仕事の作業場となっているため、住まいの玄関は2階に設けられています。室内へはこちらのアプローチ階段を上ることで玄関へたどり着きます。白とブルーのシンプルでクールな雰囲気の空間となっており、ガラスの壁面を通してこの階段に外部からの程よい光が入り込んでいますね。天井部分に見えているのは室内の階段部分。段差の間にある蹴込み板にガラスが使われていることで、このアプローチ階段部分の照明のような役割を果たし、室内の明るさがこの階段室にももたらされるようになっています。
こちらはダイニングキッチンの様子です。開口との隙間には吹き抜けスペースが設けられており、十分な明るさを室内に取入れたり、熱気などの建物の空気をコントロールしたりと、安定した室内環境を整えるための重要な役割を果たしています。フローリングや家具にはナチュラルな素材が使われ、シンプルながらも明るくて優しい雰囲気の室内空間となっている印象です。
階との間を支えるV字型をした建材は、建物の強度を持たせるためのいわゆる「ブレース」と呼ばれるもので、それがデザインの要素としても空間にアクセントを加えています。また、天井には凹凸のあるルーフデッキプレートが使われ、それが露出してあらわし仕上げとなっていることも、住まいのインテリアにユニークさを与えています。建材をインテリアとしても利用することで、費用を低コストで抑えることができるのも、住まい作りにおいての大きなポイントです。
こちらは和室からリビングダイニングをのぞんだ様子です。畳が敷かれ落ち着きと安らぎの感じられる雰囲気のこの和室。大開口が設けられ、明るく開放感のある隣のリビングダイニングとコントラストが感じられて面白いですね。場所によって多彩な印象を受けることができるこの住宅。ローコストでエコなだけでなく、豊かな気持ちで暮らしを楽しめる住まいとなっているようです。