本の収納は、熱心な読書家であれ、雑誌程度しか読まない人であれ、意外に頭を悩ませる収納のひとつ。蔵書が多い人はスペースの確保と本棚の配置が気になるでしょうし、なるべく物を持たないようにしている人も、手元の本をインテリアに馴染むように収納する方法に気を配っているのではないでしょうか。いろんな本の収蔵方法がある中で、今回はデザイン性を重視した本棚をご紹介します。
シンプルだけれどちょっと個性的なインテリアを目指している方には、こちらのような棚はいかがでしょう?壁の一面を床から天井まで余すところなく利用したこちらのシェルフは、棚の仕切りの多くが水平や垂直を保っていない不思議な形。一見、棚の色ゆえにとてもミニマルな印象ですが、斜めになった棚に配置されたカラフルな本やCDなどが、クレーやモンドリアンの抽象画のように見せてくれます。何をどの位置に配置しようか迷ってしまいそうですね。
不思議な形のこちらの空間は、ホワイトキューブの建物の中に、木製のボックス状のオフィスが入っています。札幌の建築家・アーキラボ・ティアンドエムの手がけたもの。木のボックスの外側には一面本棚が。所狭しと収納された本は、まるでボックスの壁を作っているかのようです。空間の壁面に敢えて本棚を作らないことで、すっきりとした印象に仕上がります。この木の箱にすべての機能が詰め込まれている、とは建築家の弁。こだわりを感じますね。
本棚だけでなく、インテリア全体に遊び心を持たせたいという方は、こちらのような個性的な棚、真似してみては?四色の大きさの異なるボックスが、モザイクのように壁に沿って配置されています。ボックスそれぞれの大きさに合わせた本が収納されていながら、縦と横の線はきっちりと揃っているため、不思議なまとまりを感じますね。本ばかりではなく、ところどころにオブジェが飾られているのも、絶妙な抜け感があって、とてもおしゃれです。
Photo: 平井美行
こちらも同じく変わった形の本棚です。背板がないタイプなので、緩やかな部屋の間仕切りとしても活躍しそうなデザイン。棚の形は、もはや四角ですらなく、あみだくじのように棚の線がカクカクと支柱の間をうごめいているかのようです。その不思議な棚の形状に合わせて、大きなサイズの雑誌や文庫本をパズルのようにはめ込んで収納する様は、「遊び」を通り越して「ゲーム」のような印象ですね。
シンプルに、ミニマルに、少しの量の本を収納したいのであれば、こちらのようなキューブタイプがおすすめです。オープン式の棚と扉付きのものとを組み合わせて配置することが可能なため、本だけでなくほかの物とを組み合わせて見せたり隠したりして収納できます。壁を埋めるようにたくさん積み重ねてもよし、このように階段上に緩やかな壁っぽくアレンジしてみても楽しいですね。