パントリーとは、キッチンの中やキッチンに隣接するかたちで設置される、主に食品や飲み物を収納しておくスペースのことです。大家族や平日は忙しくなかなか週に何度も買い物に行けない人にとっては非常に便利な収納スペースですが、そんなキッチン収納も棚にするのかウォークインにするのか、そして大きさやプランニングによっても使い方や利便性は大きく異なってきます。そこで今回は、パントリーのメリット・デメリットを、そのプランニングと含めて紹介していきたいと思います。
パントリーの最大のメリットは、その豊富な収納スペースです。前述のしたように、主に食品や飲み物を納めておきますが、その収納力の大きさから食器棚に入りきらない大きな食器や置き場所に困る調理器具なども納められます。こちらのキッチンでは、キッチンの近くに棚に設けて様々な食品を収納しながら、同時に様々な種類の調味料が豊富に納められるようになっています。キッチンの近くにあるので、出し入れも楽なプランニングとなっています。
買い物で特売品を見つけて買いだめをしておきたいと思っても、収納場所がないという理由で1つ2つしか買わないということもあると思います。しかし、パントリーがあれば、何の心配もなくその豊富な収納スペースに買いだめをすることができます。大家族にとってはとても便利な収納力となりますし、料理が好きな方、あるいは料理教室を開きたいと考えている方にとっても重宝することになるでしょう。また、非常食や水などを備蓄しておいて、災害に備えておくにも最適な場所となります。
通常であれば食品や食器や調理道具などの物で溢れるキッチンですが、パントリーがあることでいつでもキッチンを物の少ないスッキリとした場所にすることができます。キッチンの様子がよく目立つアイランドキッチンなどにパントリーを組み合わせることで、インテリア全体も落ち着くはずです。こちらのIHRMKが手掛けた住まいでは、キッチン左にパントリーやレンジフード、さらには空調機を隠すことで、他にはないシンプルなキッチンとなっています。
写真:上田宏
ウォークインタイプのパントリーは収納力抜群ですが、それほど広いスペースがキッチン回りにない住まいも多いと思います。そんな時でも、食器棚と組み合わせることで、奥行きが浅く特別スペースを費やす必要もなくなります。また、キッチンカウンターの近くにあることで、出し入れなどの利便性も高まります。
豊富な収納スペースということは、逆に言えば、それだけ広いスペースが必要ということになります。そのため、豊富なキッチン収納を設けることでキッチンや他の部屋が少し狭まることがデメリットの1つとして挙げられるでしょう。パントリー自体の大きさやウォークインタイプにするのか、先程のような食器棚と組み合わせるか、あるいは本当に必要なのかを含めて建築家とよく話し合いながら決めていくことが重要となります。
特に、収納抜群のウォークインパントリーの場合、料理中に必要なものをその都度取りに行かなければならないので、移動が少なくて済む通常のキッチンと比べると、移動距離が長くなってしまいます。その場合には、出し入れのしやすいプランニングや開け閉めしやす扉としたり、あるいは料理に必要なものを予めキッチンカウンターなどに置いておけるスペースを確保してあげるといいでしょう。
写真:Fraser MarrPhotography
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