変形敷地を活かした住まいをイメージしよう

A.Imamura A.Imamura
透明な地形, 南川祐輝建築事務所 南川祐輝建築事務所 ミニマルな 家
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世の中には、「細長い」「三角形」「傾斜」など複雑な形をした土地があります。やや絶望的ともいえそうな変形敷地は、意外にも、その形状を思うさま利用し楽しみながらデザインした素敵な住まいが多くあります。今回は、変形敷地に家を建てるためのそれぞれの生かし方をご紹介しています。

敷地の形から住まいをイメージするには?

変形敷地は、設計力やプランニングによって、住みやすく、個性のある建物を建てることができます。それには様々な工夫が必要です。変形敷地の場合、大きく分けて次のような二通りの考え方があります。一つは、なるべく敷地の形状をそのまま間取りや外観の形状に取り入れる方法。もう一つは、建物以外の敷地スペースに、例えば裏庭・坪庭・アプローチ・デッキ・サービスヤードなどの項目を設計の段階から積極的に取り入れる方法 です。一般に、三角形や台形などの敷地は、設計力によって住みやすく個性のある建物を実現することが期待できます。敷地の個性によって生まれたスペースは、工夫次第で空間に遊び心をもたらし、思いがけない豊かな住まいとなります。

変形敷地は、外部空間を活かして

平行四辺形や台形といった変形敷地に四角い家を建てると無駄ができそうな気がします。 しかし、建物を配置してできる敷地の空きをうまく利用し、あるいは敷地の形状に沿って、部屋そのものを変形させるなど、敷地形状を活かして、住み心地のよい家づくりは十分可能です。例えば、平行四辺形や台形の土地に建物を配置すると、どうしても角部に余分な空きができてしまいます。その空きを外部空間として活かそうという発想があれば、四角い敷地よりも奥行きのある庭やウッドデッキなどを楽しむことができます。

変形敷地を活かして

こちらは、腰越耕太建築設計事務所が手がける扇型のような変形敷地に建つ住まい。変形敷地への対応として提案されたのは、土地の角度に合わせてプランニングされたロの字型の中庭で変形を修正するというアイディア。廊下や収納、水廻りの一部では角度の振れが分かるものの、中庭をつくることで整形に修正された間取りは、変形した建物とはほとんど気づきません。 敷地形状から生まれる三角形の階段は、2段毎にベンチのような平場を設けることで、子供達の遊び場や開放的な室内になるよう計画されています。

仕切りを省いて、オープンな空間を

狭い土地は、リビングや家族の個室も小さくなってしまうのでは、と悩みがち。しかし、建築家に相談することで、プラン次第で狭さは克服できます。例えば、中をなるべく仕切らないこと。廊下をなるべくつくらず、階段も部屋の中にとりこみ、フロアをオープンなワンルームスタイルにしてはどうでしょうか。必要があって部屋を区切りたい場合は、天井までの高さがない家具などを置いて仕切るのがよいでしょう。空間を分けながらも天井はつながっていることで、視覚的に広さを感じられ、空間のアレンジも簡単になります。

©Hirai Yoshiyuki

段差を設計に活かす

傾斜地には、家を建てにくそう、と思うかもしれません。しかし、傾斜地には、平地にはないメリットもあります。土地の段差を利用することで、地下室や地下車庫などをつくりやすくなります。地下といっても土地に高低差があるので、半分は地上に出ていますから、工事もしやすくコストも抑えられます。半地下ができることで、写真の例のように、梯子をかけた遊び心のあるユニークでモダンな外観や、室内のスキップフロアで変化のある空間を楽しむこともできます。また、敷地が傾斜していることから、低いほうに向かった窓からの見晴らしがよいというメリットも生まれやすくなります。

細長い土地は?

細長い敷地では、光と風を存分に採り入れることは絶望的でしょうか?実は、敷地への建物の配置のしかたで、光や風を採り入れやすくなります。例えば、細長い土地に建つ住まいは、コの字形や雁行形に配置することで、中庭から光を採り入れるという手法もよく使われます。また、道路側など開けているところからはなるべくたくさんの光を採り入れられるよう工夫されたりします。例えば、写真の例のように大きく天井高を取り、トップライトを設けることで、採光を補うこともできます。ただし、トップライトは光の量が通常の窓よりかなり多く、夏場非常に暑くなるので、設ける位置に注意しよう。

敷地の個性を活かしたユニークな住まい、いかがでしたか?是非、コメントを書いてください!

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