床の間のある風情ある暮らし。その意味と使い方とは?
現代に息づく京都の町家: 一級建築士事務所 (有)BOFアーキテクツが手掛けたリビングです。

床の間のある風情ある暮らし。その意味と使い方とは?

床の間のある風情ある暮らし。その意味と使い方とは?

Takashi Sasaki Takashi Sasaki
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床の間とは、和室の一角に設けられる掛け軸や置物などを飾るための場所ですが、現在ではそもそも和室を持たない住宅も増えているため、そうしたスペースを見る機会も少なくなってきました。同時に、現代のライフスタイルに合わせて、デザインや使い方をアレンジしている住まいも見られます。そこで今回は、床の間のそもそもの意味と、デザインや使い方、現代の我々の生活にもたらしてくれることについて、実例とともに紹介していきたいと思います。

床の間の意味

床の間の由来には様々な説がありますが、一段床が高くなっている場所に身分の高い人が座る書院造りがありました。そのため、今でも床の間側が上座となり、反対側が下座となっています。仏教からの起源とする説もいくつかありますが、お寺のような空間的意味合いはありません。現在では、人が座れるような広さでもなく飾るための場所のため、機能面からすると押し入れなどにした方がずっと便利となるでしょう。しかし、そのわずかな空間をゆとりを持ちながら美しくしつらえていくことで、この場所でしか生み出せない雰囲気を創り出してくれるはずです。

写真:イクマサトシ

本床

現在では、モダンなデザインにアレンジされた床の間もありますが、まずは「本床」と言われる一般的な形のものを見ていきましょう。この形では、一段高くなった床に床板を敷いて、床框でその床板の側面を隠しきれいに見せています。天井から小壁が下りてきたところに、床框のように落とし掛けという横木が設けられます。そして、その横に床柱を挟んで違い棚などの床脇、書院が設けられる形となります。

茶室と床の間

茶室にも1つの床の間空間があり、それは「壁床」という壁だけの形です。先程の本床などの形では、床柱や床板に高級な木材を贅沢に用いるなどしますが、わびさびを追求した簡素な茶室においては、壁の廻縁の下に軸釘を打っただけの壁床という形となりました。こちらのTOFUが手掛けたリノベーションでは、茶室とアトリエを段差をつけながら襖で仕切ることもつなげることもでき、その襖の1つを掛け軸などを飾る面としています。さらに動かせる床にも飾るスペースを設けることで、この茶室をフレキシブルに使えるようにしています。

写真:sasakura yohei

様々な形の床の間

他にも様々な形のものが見られます。本床の床框のない「蹴込み床」や、畳との段差のない平らな「踏込み床」もあります。他にも、「釣床」「琵琶床」「袋床」など色々なスタイルが見られます。こちらの吉田設計+アトリエアジュールが手掛けた住まいでは、「洞床(ほらどこ)」と呼ばれる、洞穴のように奥の空間が広くなっていて開口部を半円や円弧状の丸みのある形に仕上げられています。壁には、切り藁入り茶室用の本聚楽が用いられていて、和の趣が一段と感じられる落ち着きのある和室にデザインされています。

モダンスタイル

先に述べてきたような基本とも言える様々な形式をもとにして、現代の和室のデザインや住まい、そしてライフスタイルに合わせたモダンスタイルの床の間も多く見受けられます。こちらの一級建築士事務所(株)アトリエカーサが手掛けた住まいでは、座ってくつろぐ畳の上での過ごし方に合わせて、低い場所に取り付けられる地窓にしながら、外の風景にも黒い床板にも目線がいくような新しい和室の雰囲気にデザインされています。

写真:寺島 博美

現代のライフスタイルだから必要な空間

出来るだけ狭い室内を有効に使っていきたいという現代の生活スタイルや住宅環境によって、床の間を取り入れない住まいも多いですが、たった一畳ほどの空間に季節の花を飾ったり、雛人形や鏡餅といった季節の行事に合わせて空間を飾っていくことで、住まいに自然を感じる機会をもたらしてくれて、現代の殺伐とした生活の中に精神的な豊かさをもたらしてくれます。こちらの洋室の出窓に設けられた床の間のように、和室でなくてもちょっとしたスペースでも十分にその雰囲気を演出してくれます。建築家と話し合いながら、家族の生活スタイルや好みに合わせて、自由にアレンジしてみて下さい!

和の空間については、こちらの記事も紹介しています。

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現代の暮らしにこそ、床の間を取り入れていきましょう!コメントをお待ちしています!
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