マンションリフォームとはより快適な住まいにするために手を加え、空間や設備を作り直していくことを言います。検討するのは主に次のような時ではないでしょうか。長年住んだ部屋だけどライフスタイルが変わったので新しい生活スタイルに合わせて快適に過ごせるようにしたい、中古マンションを買って自分たちの好きなように間取りを変えたい、古くなってきたのでメンテナンスも兼ねてきれいにしたい・・・などです。マンションは戸建てに比べて比較的部屋の間取りも変えやすいのですが、当然出来ないこともあり注意しなくてはならないことも多々出てきます。事前に知っておくべき点をいくつかここにご紹介いたします。
マンションリフォームには大きく次のようなパターンがあります。大体かかる費用も合わせてスペース別に見ていきましょう。
① 壁紙
大体のマンションが白い量産型の壁紙を使われていることが多いですが、色や柄ものに変更したいという場合は大体下記の費用がかかるとお考えください。
・ 量産型のクロスの場合:1㎡あたり900円〜1,000円
・ 色柄が豊富な総合品クロスの場合:1㎡あたり1,200円〜1,500円
② フローリング
フローリングは種類も豊富でインテリアに大きく影響するため変更されることが多い部位です。フローリングをリフォームする場合はいくつか注意が必要です。大抵のマンションでは人の歩行音が聞こえるのを極力抑えられる遮音等級L-45以上の床材と決められている場合がほとんどです。これは椅子を引く音は少し聞こえるレベルですが、これ以上のL-40を制限としているところもあるため事前によく確認するようにしましょう。大体のコストは下記の通りです。
・ 1㎡あたり9,000円〜12,000円
③ キッチン
中古マンションでの一番人気はシステムキッチンの入れ替えです。もちろん流行りの対面式やアイランドキッチンへのリフォームもとても人気です。ただしこの場合、給排水の配管移動や換気扇の位置の問題なども関わってきますので可能かどうかの制限があります。どのようなプランができるか業者と事前によく話し合うようにしましょう。参考コストは次の通りです。設備や現場の状態により大きく変動します。
・ システムキッチンの入れ替え:約400,000円〜1,000,000円
・ 対面式キッチンへ取り替え:1,800,000円〜2,500,000円
・ アイランドキッチンへ取り替え:2,200,000〜3,000,000円
④ 浴室
中古マンションの場合、ユニットバスの入れ替えがほとんどですが、古い建物の場合は在来浴室のところもあります。最近はデザインも様々なのでインテリアを楽しむように浴室をリフォームする方が増えています。お手入れがしやすいというメリットもあります。 ・ ユニットバスの入れ替え:650,000円〜1,300,000円 ・ 在来浴室からユニットバスへの取り替え:800,000円〜2,000,000円
⑤ トイレ
トイレのリフォームは便器の交換、壁紙や床の張替えなどがあります。一番よく使う場所なので清潔に綺麗にしていたいものですね。 ・ 便器交換:90,000円〜300,000円 ・ 壁紙張替え:30,000円〜50,000円 ・ 床張替え:20,000円〜50,000円
⑥ 中古マンションまるまる一軒
上記のような細かいスペースだけではなく、中古マンションの部屋全体のリフォームを考える場合は、間取りや広さによって大きく金額は変わります。一般的に多いマンションの例をご紹介していきましょう。
・ 2LDK (55㎡)のリフォーム:約3,500,000円〜4,000,000円
※例えば下記のようなリフォームを行った場合の金額です。
壁紙張替え、フローリング張替え、和室畳交換、襖交換、システムキッチン交換、ユニットバス入れ替え、洗面台交換、トイレ便器・内装変更、給湯器交換、間取り変更、水道・電気工事、廃棄物処分
・ 3LDK(60㎡)のハウスクリーニング:約850,000円
※下記のみを行った場合の金額です。
壁紙の張替え、フローリングの張替え、ハウスクリーニング
マンションリフォームは戸建てと違って共有の建物なので、プランを組み始めるにあたりいくつか注意点があります。事前にポイントを押さえておきましょう。
① 間取りの変更について
部屋を広くするために壁を取り払いたいと考えている場合は、間仕切り壁の材質によって可能かどうかが決まります。軽量鉄骨や木製である場合は問題なく間取り変更のリフォームできますが、コンクリート壁の場合は不可能です。中古マンションを購入してリフォームを考えている方は必ず確認することを忘れないようにしてください。
② 管理組合への届け出が必要
中古マンションをリフォームする場合は、必ず管理組合へ問い合わせてどのような届け出が必要か確認をしましょう。
③ 専有部分と共用部分の確認
専有部分のみがリフォーム可能な部分になりますので、区分所有法で定められている専有部分と共用部分をしっかりと知っておく必要があります。例えば下記のような場所です。マンションの管理規約によって異なりますので、これらも管理組合へ確認するようにしましょう。
・ 玄関:外側と扉枠は共用部分、内側は専有部分
・ ベランダ、バルコニー、ポーチ、庭:共用部分を専用で使用しているだけ
・ 窓、窓枠:共用部分
・ スラブ下配管:一般的には共用部分
④ 近隣への配慮
リフォームの作業に入ると工事の音がうるさくてご迷惑をかけてしまったり、トラブルになる場合がよくあります。それを避けるために上下左右のお宅には必ず事前に挨拶に行くことが大切です。
マンションリフォームには確認すべき点や制約も多いのでトラブルも頻繁に発生してしまいます。せっかく多額のコストをかけて行うのですからなるべくスムーズに進めたいものです。気持ち良く、理想の部屋に作り直せるようにマンションリフォームの手順を理解し、準備をしっかりしておきましょう。
① マンションリフォームを検討
② 管理規約を確認
③ 複数の業者に来てもらい現地調査をしてもらう
④ プランや概算見積もりを依頼
⑤ 各社からプレゼンテーションをしてもらう
⑥ 業者の選定
⑦ 設計
⑧ 見積もりをもらう
⑨ 工事内容の確認
⑩ 工事・施工
⑪ 引き渡し
⑫ アフターケア
最初に希望や理想があればなるべく④の段階でお伝えしておくようにしましょう。またアフターケアについても事前に内容を確認しておきましょう。
マンションはほとんどが規格品ですので、制約も多くプランによってコストにも差が出ます。また業者によって得意分野も異なるため、なるべく多くの業者に見積もりを依頼し相場を知って、じっくりと相談しながらリフォーム計画を立てていくことが重要です。
マンションリフォームで自分のライフスタイルに合わせた快適な理想の暮らしを手に入れましょう。